なぜ、花王は成長が有望な優良株なのか?

花王は業績が好調な安定株で、人気の銘柄です。花王の現状の業績と株価を振り返り、今後の業績と株価を予想・予測してみましょう。

 

花王はトイレタリーなどファブリック、ホームケアの国内首位の会社です。これ以外にも化粧品やヘルスケア商品、化学などの事業もしています。花王がカネボウの化粧品部門を買収したことを記憶している方も多いと思います。

 

早速、一株あたりの売上高(オレンジ)、EBITDA(緑)、純利益(青)を見てみましょう。
花王売上高2017-09-24

花王の売上(オレンジ)は順調に伸びていることがわかります。EBITDAと利益の方は軸の単位が大きすぎて見にくいので、売上の曲線を抜いて、EBITDAと利益だけで上図を書き直して見ると下図になります。

花王EBITDA2017-09-24

青色が、花王の一株あたりのEBITDAで、赤色が一株あたりの純利益です。いずれも2010年あたりの少したるみがありますが、順調に伸びています。2010年あたりといえば、リーマンショック、それに続くユーロ危機で世界経済が荒れていた時期です。多くの製造業がこの時期に赤字になっているのに対して、花王は減益にはなってはいるものの、しっかりと黒字でこの世界的な金融危機を乗り切っています。花王はまさにデフェンシブ株の代表的な銘柄ですね。

 

花王の製品といえば、洗剤やトイレット製品など景気に関係なく消費される生活必需品が主な事業です。これが景気の循環に強い理由です。

 

次に、花王の営業キャッシュフロー(赤色)と投資キャッシュフロー(黄色)を見てみましょう。

花王キャッシュフロー2017-09-24

2006年に投資キャッシュフローが大きく下げていますが、これはカネボウの化粧品部門を買収した影響です。残りの期間は、潤沢な営業キャッシュフローで投資キャッシュフローをまかなっていて、毎年潤沢なフリーキャッシュフローがあることがわかります。キャッシュフローで見ても花王がとても安定的な経営をしていることがわかります。

 

さて、今後の花王の業績を予想するために、セグメント別の売上高と営業利益を見てみましょう。次は通気の決算短信から取ってきたものです。

花王セグメント利益2017-09-25

花王には大きく分けて4つのセグメント(ビューティーケア、ヒューマンヘルスケア、ファブリック&ホームケア、ケミカル)があります。

 

それぞれの売上高営業利益率を上記の表から計算すると以下の通りです。

ビューティーケア、8.4%

ヒューマンヘルスケア、9.4%

ファブリック&ホームケア、22.6%

ケミカル、10.8%

やはりと言うべきか、ファブリック&ホームケアが22%と圧倒的に高い売上高営業利益率を誇ります。ビューティーやヘルス事業は競合も多いですが、ファブリック&ホームケアは花王が圧倒的なブランド力を誇っていて、この高い営業利益率を維持しているのですね。

 

「化粧品といえば花王」と言うことはないですが、「洗剤といえば花王」といえば、みんな「そうそう」と言う感じだと思います。これがバフェットのいうブランド力ですね。他者を圧倒するブランド力があるので、ファブリック&ホームケアの部門では価格競争に巻き込まれなくて済んでいます。
次に地域別の売上高の実質増減率の推移(下図)を見てみましょう。実質というのは為替の影響を抜いたという意味です。

花王セグメント

この図をみて最初に目立つ箇所は2010年の落ち込みです。これは、先ほども述べたリーマンショック後の世界的不況の影響です。これば増減率なので、マイナスの値でも売上高自身は当然プラスです(笑)そして、やはり注目すべきなのはアジア(オレンジ色)の売上高増加率が他の地域に比べて高水準であることです。

 

日本はもはや人口減の時代を迎えて、これから売上を伸ばしていくのは難しいでしょう。実際に上の図でも日本の売上高増加率は小さくほぼ飽和状態を迎えていると思われます。これに比べて、アジアはまだまだ人口も伸びるし、ますます豊かになっていくので、花王ブランドの製品の需要はまだまだ伸びそうです。

 

米州や欧州は上の表を見る限り、花王はうまく市場に食い込めていないようです。

 

やはり、日本ブランドがまだまだ認知の高いアジア地域で今後どれだけ成長できるかが、今後の花王の業績を左右することになりそうです。

 

さて、花王の株価の推移を見てみましょう。好調な業績にひきづられるように株価も上昇しています。

花王株価2017-09-24

現在(2017/9/26)のPERが23倍です。今後のアジアでの成長を織り込んでいると考えれば適正株価ぐらいでしょうか。ただ、割安感はないので、今は買い時ではないと思われます。

 

(まとめ)花王は景気にも強いデフェンシブ株で、とても魅力的な投資対象です。また、これからアジアでの成長も期待でき、さらに成長して株価を下から支える形になるでしょう。ただし、今はそれほど割安感はないので、投資は様子見としたいと思います。世界経済の危機などで花王の株価も大きく連れ下げになった時に、花王株を仕込むことを考えたいと思います。

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