アメリカFRBの金融政策と今後の為替への影響

為替レートに大きな影響力があるのが、各国の中央銀行の金融政策です。特に世界の基軸通貨である米ドルの金融政策の行方を決定しているのが米国のFRB(Federal Reserve Board )で日本語では米連邦準備制度理事会と言います。

 

この金融政策が変更されると、ドル円をはじめとして大きく為替レートが動きトレンドを作ります。FXで稼ごうと思ったらFRBの金融政策がどうなるか注目しておく必要があります。
 

FRBは定期的に理事会を開いて、米国の金融政策を決めています。さて、FRBの金融政策はどうやって決まるのでしょうか?
 
実はFRBには大きな目標が課されています。それは、雇用の最大化、物価の安定、そして長期金利の穏やかの上昇です。特に、最初の2つはFRBの2大目標(Dual mandate)と言われ、この目標に達成するために金融政策を決めています。
 
物価の安定と長期金利の穏やかの上昇はお互い強い関連があるので、3つの目標のうち最初の2つだけを2大目標(雇用の最大化、物価の安定)としているのですね。

 

そこでアメリカの金融政策がどうなるかは、アメリカの雇用がどうなるかと、物価の安定(インフレ率)がどうなるかに注目しておけばある程度予想することができます。

 

FRBの金融政策を予想するには、毎月初めに発表されるアメリカの雇用統計と、インフレ率の推移を毎回確認するのが重要になります。

 

基本的には、アメリカの雇用統計の内容がよくなり、インフレ率が上がって来れば、金融引き締めの政策になりドル円は上昇することになります。

 

逆にアメリカの雇用統計の内容が悪く、インフレ率が低いもしくはデフレ状態であれば金融緩和の政策になりドル円は下落することになります。
 
さて、2016年12月現在の米国雇用統計とインフレ率の推移を確認してみましょう。
 
次は長期(70年間)のアメリカの失業率の推移です。

unployment-rate-long2016-12-06
 
この70年の間、景気の波が何度もやってきて失業率が上下に波打っているのがわかります。最近だと、2002年あたりと2008年あたりに失業率が上昇しました。最初の左の赤丸で示した2002年の失業率の上昇はITバブルの崩壊によるものです。そして右の赤丸で示した直近の失業率の上昇はリーマンショックによるものです。
 
もう少し短い期間の失業率の推移を見てみましょう。下の図は、上の図の左側の部分を拡大したもので、最近10年のインフレ率の推移を示しています。
 
unployment-rate-short2016-12-06
 
2009年頃から2011年頃まで、失業率が、10%台と悪かったですね。これは、2008年にアメリカの住宅バブルが崩壊して、サブプライムローンが不良債権化したことにより世界金融危機になったことが原因です。その後もギリシャ危機、欧州債務危機(2011年頃)などもあり、なかなか失業率は下がりませんでしたが、ここにきて、だいぶ失業率が改善してきて、現在では4%台に落ち着いてきました。
 
FRBの2大目標のうちの一つ、雇用の最大化が順調に実現されてきていることがわかります。
 
では、米国雇用統計のもう一つの重要な指標である非農業部門雇用者数の増減の推移をみてみましょう。(下図)
 
non-farm-payroll2016-12-06
 
リーマンショックの頃に大きく落ち込みましたが、その後だいぶ落ち着いてきて、現在は大体20万人増のライン付近で推移しています。

 

この非農業部門雇用者数は、大体20万人増が一つに目安になっており、この数字の付近であれば雇用は順調に伸びていると判断されます。

 

現在は20万人増のラインを若干下回る数字の時が多いですが、まあまあといったところでしょうか。こちらの指標でも、FRBの2大目標のうちの一つである雇用の最大化がまあまあ実現されてきています。
 
さて、次はFRBのもう一つの目標である物価の安定に関連した指標のインフレ率をみてみましょう。下図がアメリカのインフレ率の直近10年間の推移です。

inflation-rate2016-12-06

 

リーマンショックの時にインフレ率が大きく落ち込みデフレに陥っていることがわかります。その後物価は上昇しましたが、また2015年あたりにインフレ率が0%まで落ち込みました。その後、ここ2年くらいかけて大体2%付近まで回復してきました。

 
インフレ率は大体2%が最適とされていて、FRBを含めて多くの中央銀行がこの数字を目標としています。

 

上図でも、2%のところに赤ラインを引いています。

 

インフレ率は、景気の体温計です。一般的にインフレ率が高い時は景気が過熱を示していて、逆にインフレ率が低い時は景気が低迷している時を表します。インフレ率が低すぎるとなかなか金融引き締め(利上げ)ができませんが、現在、2%に近づいてきましたので、さらなる利上げをしても問題なさそうなレベルまできていることがわかります。
 

以上、米国の雇用統計(失業率、非農業部門雇用者数)、インフレ率を見てきましたが、両方ともにまあまあ良い数字になってきているので、さらなるFRBがさらなる利上げする可能性は高そうです。
 
おそらく今月の12月の理事会でFRB連邦準備制度理事会で利上げをするのではないかと予想します。その場合はドル円はさらに上昇すると思われます。
 

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