イエレンが利上げに動かない場合、ドル円はリスク回避に

世界各国の金融閣僚が通貨戦争を回避しようとしていますので、今回のG20会議の結果は米ドル円に対してあまり大きな影響を及ぼさないかもしれません。今後の市場の動向は、FRB連邦準備制度理事会と日本銀行(BoJ)の双方の金融政策への見通しに左右されそうです。

 

2017年に金融政策をさらに正常化するために、イエレンFRB議長は連邦公開市場委員会(FOMC)を利上げ方向に政策を推し進めているようです。特に米国経済が完全雇用に近づくにつれて、家計及びビジネスにおける資金調達コストを増大させようとしています。

 

また、米国消費者物価指数(CPI)の最近の上昇は、FRB中央銀行がベンチマーク金利を遅くではなく早く上げるように催促しています。ただ、一方で、別のFRBメンバーであるホーキンズの証言から、イエレン議長の態度が揺れていることも示唆されています。

 

つまり、過去1年間にインフレが上昇した原因は、エネルギー価格と輸入価格の前回の下落の影響が縮小したことを主因となっているとイエレンは主張していると、別のFRBメンバーであるホーキンズが証言しています。これは利上げを急がないともメッセージとも取れます。

 

2017年のFOMCのメンバー(ニール・カシカリ、パトリック・ハーカー、ジェローム・パウエル)は、今週のスピーチを予定していて、イエレン議長と同様の見方を発表するかもしれません。彼らの発言は、FRBが3月の金利引き上げについての見通しをあまり変化させないと思われます。

 

市場参加者は6月の利上げの動きに対して60%以上の確率があると予測しています。なので、金利見通しが弱気になる可能性があります。

 

また、FOMC議事録は同様も弱気なものになることが予想されていて、公式当局者が「FRBの金利のさらに上昇させることを保証する経済の進化」の期待が外れに終わる可能性があります。リスク選好傾向が後退しつつあります。

 

最近のUSD / JPYの下落は、日経225の同様の動きを示しています。日経225指数は2017年は今年の高値(19,698円)の更新に失敗した後、今年の安値の下へのブレイクをトライするリスクもあります。

 

日本銀行がマネタリーベースをさらに拡大しようとしていることから、利回り曲線を用いた量的・質的緩和(QQE)プログラムは引き続き金融市場を支えていきそうです。一方、黒田日銀総裁は、欧州中央銀行(ECB)は理事会が4月から資産購入額を60B /月に引き下げる予定であることに注目しています。日銀の国債購入は一時的に安定しないかもしれませんが、インフレ目標2%を達成しようとする中で、日銀は国際購入を続けるでしょう。

 

FOMCと日銀の両方による慎重な様子見のアプローチは、短期的にはレンジ相場の状況を作り出すかもしれません。ただし、最終的には、金融政策が多少揺れ動いたとしても、ドル円の長期的な強気な見通しは変わらず、昨年から続く上昇(ブル)傾向は変わらないでしょう。ドル円は中長期的にはドル高方向に向かって行くと予想されます。

 

 

 

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