コロナショックは株式市場に大きな暴落をもたらしました。株価を戻している銘柄もありますが、経済の先行きは不透明です。そんな中で財務が健全で株価も割安な、安心して投資できる企業はあるのでしょうか。

 

実はコロナショックでも安全な投資先候補として「コロナ」という会社がることをご存知でしょうか。偶然にもコロナウィルスと同じ名前の会社ですが、ニッチなビジネスで高いシェアを有しています。さらにコロナは借金もほとんどない堅い財務を貫く会社で、株価に関しても保有する資産よりも割安になっているのです。

 

そこで今回の記事では、安全な投資先候補として「コロナ」という会社を紹介します。

 

コロナは新潟県三条市に本社がある東証一部上場企業

はじめに【5909】コロナの概要を解説します。株式会社コロナは1937年、石油コンロの製造する個人事業として創業しました。その後日本初の加圧式石油ストーブの生産を開始、さらに石油ファンヒーター、エアコン、そして住宅設備機器の製造に事業を広げたのです。

 

そして1992年会社名を現在の株式会社コロナに変更しました。株式上場は1996年に新潟証券取引所で上場しました。さらに2000年に東証二部、そして2006年には東証一部に指定され現在に至っています。

 

コロナは石油ファンヒーター大手の一角

株式会社コロナのビジネスは大きく3つに分けられます。1つ目は石油暖房機器です。株式会社コロナの石油ファンヒーター・石油ストーブは市場で高いシェアを有しています。ただし国内の石油暖房機器市場は成熟しており、一定の買い替え需要が見込まれる程度です。

 

省エネ社会に対して「エコキュート」を育成

株式会社コロナは住宅設備機器事業にて、2001年からエコキュートの製造を始めています。エコキュートとは電気代が割安な夜間にお湯を作る給湯器で、近年は多くの住宅で用いられています。エコキュートはオール電化住宅や太陽光発電とも相性が良く、今後も一定の需要が見込まれます。

 

廉価で寒冷地に強いエアコンメーカーとして一定のポジション

株式会社コロナではエアコンの製造も行っています。エアコン市場は大手メーカーで8割のシェアを占めています。しかし株式会社コロナのエアコンは割安なエアコンとして一定のシェアを保持しているのです。

 

3つのビジネスが均等に収益を上げている

株式会社コロナではこれら3つのビジネスそれぞれが収益の柱になっています。2019年3月期において各ビジネスが売上に占める割合は暖房機器(石油ファンヒーターなど)33%、家電・空調機器(エアコンなど)24%、そして住宅設備機器(エコキュートなど)35%となっています。

 

【図表】過去5年間における製品ごとの種類別売上高の推移
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※横軸は年・縦軸は単位百万円

 

2020年3月期末は消費税増と暖冬で大幅減益の予想

ところが株式会社コロナの2020年3月期末の業績は低迷する見込みです。同社の発表では2020年3月期末の予想利益は5億円(前期比60%減)となっています。これは消費税増と記録的な暖冬によって暖房機器と空調機器の売上が低迷したことが影響しているのです。

 

コロナショックも加わって株価は900円前後へ

暖冬での業績低迷が見込まれていたため1100円前後で推移していた株式会社コロナの株価は2019年末から徐々に下がっていきました。さらに2020年2月に入りコロナショックのあおりを受けて株価はさらに下落したのです。そして3月13日に771円という株価を記録しました。その後株価を戻して、5月1日は943円の取引で終了しています。

 

株式会社コロナは「成熟安定株」として魅力あり

このように株価の低迷している株式会社コロナですが、投資先としてどのような魅力があるのでしょうか。株式会社コロナの魅力は以下の3点が挙げられます。

 

 成熟した産業で一定のシェアを持っている
 借金を最小限にした堅牢な財務
 多くの自己資産を保有しながら割安な株価

 

ここからは、投資先として株式会社コロナの魅力について、これら3点を軸にして解説します。

 

売上は一時の落ち込みを取りもどしている

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※横軸は年・縦軸は単位百万円

株式会社コロナの売上高は2016年に低迷したものの2019年には回復しています。これは株式会社コロナの売上は天候や経済の好不況など外部環境の影響を受けながらも一定の需要のあるビジネスであると分析できます。

 

利益変動が大きいが黒字をキープ

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※横軸は年・縦軸は単位百万円

株式会社コロナでは利益面でも売上高と同じような傾向が見られます。また株式会社コロナは金属製品を扱うメーカーなので原材料費の価格変動が利益に影響しやすいと分析できます。

 

キャッシュの確保も行われている

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※横軸は年・縦軸は単位百万円

株式会社コロナのキャッシュフローは在庫調整で利益を下回る年がありますが、おおむね純利益より多い営業活動によるキャッシュフローを得ています。株市会社コロナではリスクの低い資金繰りで運営されていることが分析できます。

 

高い自己資本比率

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※横軸は年

株式会社コロナは無借金経営が行われており、自己資本比率は高い水準を保っています。株式会社コロナは堅実な財務で経営していると分析できます。

 

「清算価値」をざっくり計算 1389円

このように株式会社コロナは安定したビジネスを健全な財務で行っているため、倒産リスクの低い企業であることが分かりました。では株式会社コロナの株価はどの程度割安になっているのでしょうか。

ここでは「バリュー投資」と呼ばれる投資法に基づいて株式会社コロナの「清算価値」を試算し、株価との差額を分析します。

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※単位百万円

この分析では株式会社コロナの清算価値(会社をたたまざるを得なくなったときの企業価値)を想定して資産額を調整しました。そのような調整をしたにもかかわらず、株式会社コロナの時価総額(=株価×発行株式数)は清算価値よりも安くなっているのです。

 

低いROEは株価を低迷させる

ではなぜ株式会社コロナの株価はこれほどまでに安くなっているのでしょうか。これには株式会社コロナの経営の効率性に原因があります。
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※横軸は年

自己資本利益率(ROE)とは株主に対するリターンを表します。株式会社コロナのROEはお世辞にも良いとはいえません。低いROEは投資家に「経営の効率が良くない」と評価され株価が低迷すのです。

 

暴落時でも安心して投資できることがメリット

ただし株式会社コロナへの投資では別のメリットがあります。それは株式市場全体の暴落や景気低迷時でも株価が下がりにくいことです。すでに資産よりも大幅に安い株価なので衰退することが明確なビジネスでなければ株式を買う需要が残るのです。

 

また株主も「清算価値よりも安く株を買っている」ということが確信しているので、株価が動いても心理面で揺さぶられにくい点も見逃せないメリットです。

 

コロナとは「燃える炎」をイメージして命名

ところで株式会社コロナはなぜこのような社名を付けたのでしょうか。これは創業者が自社の石油コンロが灯す青い光を見て、学生時代に見た「コロナ放電」が発する光と似ていることと、太陽の周囲に見えるコロナのイメージを重ね合わせて命名したのです。

 

ちなみにコロナウィルスも顕微鏡で見た形状が王冠(コロナ)を付けたようになっていたことが名前の由来とされています。

 

まとめ:急成長を望まなければコロナへの株式投資は安全性が高い

 

今回は株式会社コロナの経営状況と株価の割安性に解説してみました。今回のポイントは以下の通りです。

 

 株式会社コロナは新潟県に本社を置く石油ファンヒーター大手
 株式会社コロナはエアコンやエコキュートも主力製品
 株式会社コロナは業績不振とコロナショックで株価が低迷
 株式会社コロナは健全な経営を続けている
 株式会社コロナの株価は清算価値より安くなっている
 株式会社コロナは経営の効率性に目をつぶれば安心した投資先

 

新型コロナウィルスの影響で世界中の経済が停滞しています。このようなとき普段は儲かっている企業でもリスクの高い財務で経営していた企業は経営が苦しくなります。一方で株式会社コロナのように財務が健全な企業であれば数年続くかもしれない苦境を乗り越えるだけの体力があるのです。

 

皆さんもコロナショックを機に、地味なビジネスでも健全な企業へ投資されてみてはいかがでしょうか。

 

【引用①】株式会社コロナ第71期有価証券報告書
https://www.corona.co.jp/ir/32960375917aadb4e87f54513fcc9924f970c8cc.pdf
【引用②】株式会社コロナ第69期有価証券報告書
https://www.corona.co.jp/files/ir/library/yuho_69_4.pdf
【引用③】株式会社コロナ2020年3月期第3四半期決算短信
https://www.crona.co.jp/ir/9cfc464b9c13f0b7e926a77b0ad0e6fc78aabb59.pdf

*本稿は協力執筆者による記事です。

*投資は自己責任でお願いいたします。