セブンイレブンとイオンの決算書を比較する

 

平成27年2月期のセブンイレブンとイオンの決算短信をみてみた。(平成27年4月に出た決算短信)

収益性、安定性、キャッシュフローの3つの側面について分析する。

収益性比較

まず、収益性であるが、セブンとイオンのROAをひかくすると、それぞれ6.5%と1.9%である。圧倒的に、セブンのほうの収益性が高い。

この原因を損益計算書をみて探っていこう。

ます、営業総利益率(売上マイナス売上原価)は、セブンとイオンそれぞれ、29パーセントと41パーセントで、意外にもイオンのほうが高い。
人件費を引く前の利益を比べているので、この結果は。セブンのほうがイオンより安く製品を売っていることがわかる。

ところが、人件費を引いたあとの、営業利益率は、セブンをイオンそれぞれ、4.9%、2.3%である。人件費を引くと、セブンとイオンの利益率が逆転してしまう。

つまり、これはイオンのほうが、圧倒的に人件費が高いということである。

実際に、されに詳しく損益計算書みると、給与賞与の売上に対する比率が、セブンとイオンで、6.2%と13.4%である。イオンのほうが、同じ売上をあげるのに、2倍も人件費をかけているのである。

人件費の差が、セブンとイオンの収益力の差となっている。

また、売上勘定回転率、棚卸資産回転率、固定資産回転率のいずれも、セブンのほうが上回っている。

 

安定性

また、安定性についてであるが。流動比率、固定比率、固定長期適合率いずれも、セブンのほうがよい。

特に、自己資本比率は、セブンとイオンそれぞれ、44パーセントと15パーセントで、セブンのほうが全然良い。

セブンの自己資本比率が良いのは、利益剰余金をたくさん蓄えているからである。自己資本に対する利益剰余金の割合は、セブンとイオンそれぞれ、71%と50%で、セブンは着実に過去の利益を蓄えていることがわかる。

 

キャッシュフロー

セブンのキャッシュフローは、プラスの営業キャッシュフローで、投資と財務の負のキャッシュフローを賄っていて、きれいで安定している方とをしている。

 

一方、イオンのキャッシュフローは、投資キャッシュフローを営業キャッシュフローだけで賄いきれずに、財務で補てんしている。

 

キャッシュフローをみても、セブンの安定性が際立っている。

 

結論

この2社を比較すると、収益性、安定性、キャッシュフローいずれをとっても、セブンのほうが、際立って良い内容だ。

 

2社の理論株価(セブン4500円、イオン1500円)と実際の株価(セブン5200円、イオン1500円)をくらべると、セブンのほうが少し割高になっているのは頷けるところだ。セブンのほうが投資対象としては、魅力的だ。

 

ただ。現状、株価は、両社とも割安とはいえないので、投資は見送ったほうが良い。

 

セブンの株価が暴落した時は、仕込むことを検討しても良いだろう。

 

 

 

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