ドコモの株価、業績はなぜ安定しているのか?(ドコモの業績と株価の今後の予想・見通し)

ドコモ
NTTドコモ(9437)のこれまでの業績と株価の推移を振り返り、今後の業績と株価の予想・見通しをしたいと思います。

 

ドコモは、KDDI、ソフトバンクと共に日本の3大携帯キャリアの一つです。そして、ドコモは3大キャリアの中でも最大シェアを誇ります。

 

ドコモの売上高、利益の推移

ドコモの売上、EBITDA、純利益の推移を見てみましょう(下図)。

ドコモ売上高、利益

緑が売上高、青がEBITDA、赤が純利益です。売上もEBITDAも純利益もヨコヨコで良い意味でも悪い意味でも超安定しています。特筆すべきなのは、2007年頃ののリーマンショックや、2011年頃のユーロ危機などの世界経済の危機でも全く売上も純利益も落ちていないことです。ドコモは景気に非常に強い超ディフェンシブ株であることがわかります。

 

次に、上図でEBITDA(青)と純利益(赤)だけを取り出したのが下図です。

ドコモ利益

この図をみても、EBITDA、純利益、共に超安定しています。

 

なぜドコモの景気の循環に強く、業績が安定しているのでしょうか?

 

理由は携帯キャリアのビジネスモデルにあります。まずは携帯電話契約は月額定額課金で収入が安定しています。そして不況になったからといって、人々は携帯電話は解約したりしません。また、一旦契約したキャリアを余程の理由がない限り変更しません。このため、携帯キャリアのビジネスは不況に強く安定しています。

 

次にキャッシュフローの推移をみてみましょう(下図)。

ドコモキャッシュフロー

青が営業キャッシュフロー、赤が投資キャッシュフロー、黄が財務キャッシュフローです。営業キャッシュフローも十分に安定しています。そして、投資キャッシュフローは営業キャッシュフローの範囲以内で推移しており、毎年十分なフリーキャッシュフローを稼ぎ出しています。

 

念のためにドコモののれんの推移もみておきましょう(下図)。

ドコモのれん

青色がドコモののれんで、赤色が純資産の推移です。純資産に比べて、「のれん」が膨らんでおらず、ドコモは堅実な経営をしています。一方、ドコモに対してソフトバンクは、この「のれん」が大きく膨らんでおり、かなりアグレッシブな経営しているのと対照的です。

 

次にドコモの決算短信よりセグメント別の売上(営業収益)をみてみましょう(下図)。セグメントを確認することにより、企業の主な収益源やがわかります。

セグメント収益

最初の「通信事業」がいわゆるドコモ携帯(スマホ)の通信事業です。ドコモの携帯を利用している人は、この売上に貢献していることになります(笑)。次のスマートライフ事業は、dマーケットなどを通じたコンテンツビジネスです。ドコモの事業の売上の9割は通信事業になります。スマートライフ事業と呼ばれるコンテンツ事業は売上の1割にしかなりませんが、前年度から売上が少し上がっているのが好感できます。

 

通信事業に限ってみると国内はほぼ飽和状態にあり、ドル箱ではありますが、ここからさらに成長するのは難しいでしょう。あとは、コンテンツビジネスが伸びれば、ドコモはさらに成長することができそうですが、こちらの方は競合もたくさんいるので、厳しい戦いになるでしょう。

 

ドコモの取り巻く市場環境、競合企業

携帯キャリア業界の中でのドコモのシェアをみてみましょう(下図)。

携帯シェア

(上図と次の図はhttps://denwa-bangou.com/carrier-shareより引用)

上図のシェアをみると、1位がNTTドコモで、2位がKDDI(AU)、3位がソフトバンクです。やはり、NTTドコモが日本の中ではブランド力が強くトップシェアですね。

 

次にキャリア別の契約者数の推移のグラフの推移をみてみましょう(下図)。

携帯シェア推移

契約者数の推移をみると、どのキャリアも若干の右肩上がりの推移をしています。

 

今後ですが、日本の人口減が始まっていますので、ここからどのキャリアも国内だけでは大きく業績を伸ばすのは難しいでしょう。また、どのキャリアのサービスも今の所ほとんど横並びなので、各社のシャアも今後それほど変わらないでしょう。

 

ただ、前にソフトバンクがiPhoneを他社に先駆けてシャアを増やしたことがあります。このようにキャリアが他社にはない特別なサービスを提供できれば、また各社のシャアも変化するかもしれません。

ドコモの時価総額、総資産(自己資本)、総売上(純利益)

2016年の年間報告書をみて、ドコモの時価総額、総資産、自己資本、総売上、純利益をみて、主要な指標を計算しましょう。

 

時価総額:10兆円

総資産:7.3兆円(自己資本5.5兆円)

総売上:4.5兆円(純利益6500億円)

 

これから主要指標を計算してみましょう。

 

自己資本比率:75%

総資産純利益率:14%

ROA:8.9%

ROE:11%

PER:15.3

PBR:1.8

 

これらのドコモの主要な指標をみてみると、すごく良くもなく、悪くもなく、全く普通な感じですね(笑)。ドコモは堅実な経営ができていることがわかりますが、急成長したり、大化けするような感じでもないですね。。。

 

ドコモの株価の今後の予想・見通し

ドコモの株価の推移をみてみましょう。

ドコモ株価

ドコモの株価の推移をみると2001年のインターネットバブルの崩壊後、株価は低迷をしています。低迷していると言うか、単にドットコムバブルの異常な株価の高騰が落ち着いて、適正株価に戻ったと言うべきかもしれません。

 

ドコモの理論株価(青色)と実際の株価(緑)を比較してみます(下図)。理論株価は一株あたりの純利益の15倍で算出しています。

ドコモ理論株価

この図をみてもわかる通り、2001年の時の株価(緑)は理論株価(青)から大きく乖離していて、バブルになっていることがよくわかります。2005年以降は、株価と理論株価はほぼ同じレベルで推移していて、ドコモの株価は適正な範囲を推移していることがわかります

 

ドコモの業績は、非常にディフェンシブで手堅く利益を出し続けるでしょう。ただ、国内携帯電話はすでに飽和市場になっていて、ここから急成長していくのは難しいでしょう。ただ、今後も携帯通信事業はの重要性は今後数十年は変わらないと思いますので、電力事業などと似てでディフェンシブ株の一角としての魅力はあります。

 

現在(2017/11/2),ドコモの予想配当利回りも2.7%程度ありますので、定期預金感覚で投資するのは良いかもしれません。

 

あと、ドコモの株価が一時的な原因で大きく落ち込むことがあれば、長期保有目的で買って置くのも良いと思われます。

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