リバレッジETFを使いこなす

ここ数年、リバレッジETFやインバースETFというものが、はやってきています。

 

売買代金もおおく、個人投資家を中心に人気があるようです。

 

さまざまな記事で、その特性について解説があるようですが、一部誤解もあるようなので、ここであらためて解説したいと思います。

 

ここでは、日経平均連動した2倍リバレッジ型ETF(1358、1458など)を中心に話していきたいと思います。

 

2倍リバレッジ型ETF(1358、1458など)は、日経平均の変動率の2倍変動するように設計されたETFです。なので、一日に、日経平均が5パーセント上昇すると、2倍リバレッジ型ETFは10パーセント上昇します。

 

なので、数か月のチャートを重ねると、2倍リバレッジ型ETFは、日経平均の2倍分ちゃんと上昇していそうですが、実はそうなっていません。

 

ポイントは、変動率が2倍になっているというのは、あくまで日ごとにおいてであって、長期ではないというところです。

 

日々では、ちゃんと2倍になっていても、長期ではちゃんと2倍になっていないんすね。2倍以上の時もあるし、2倍以下の時もあります。

 

では、どんな場合に2倍以上になり、どんな場合に2倍以下になるでしょうか?

 

答えは、上昇トレンドが続くときに、2倍以上になり、揉みあい相場の時に2倍以下になります。

 

このことについて例を出して、解説します。

 

(1) 日経平均が2日連続で10パーセントづつ上がったとします。すると、日経平均は、最初100だとすると、二日後には121で21パーセント増になります。

 

日経平均 100 > 110 > 121 (21パーセント増)

 

では、2倍リバレッジETFはどうなるかというと、44パーセント増になります。

 

2倍リバレッジETF 100 >120 > 144 (44パーセント増)

 

あれ、2日後には、日経平均の増加率(21パーセント)の2倍(42パーセント)になるかと思いきや、2倍リバレッジ型ETFは2倍以上に増加(44パーセント増)しています。

 

なので、上昇トレンドがあると、2倍リバレッジ型ETFは、2倍以上に増加することがわかります。

 

(2) 一方、相場がもみ合ったときはどうでしょうか?

 

日経平均が初日20パーセント上がり、次の日に10パーセント下がったとします。づつ上がったとします。すると、日経平均は、最初100だとすると、二日後には108で8パーセント増になります。

 

日経平均 100 > 120 > 108 (8パーセント増)

 

では、2倍リバレッジETFはどうなるかというと、12パーセント増になります。

 

2倍リバレッジETF 100 > 140 > 112 (12パーセント増)

 

あれ、2日後には、日経平均の増加率(8パーセント)の2倍(16パーセント)になるはずが、2倍リバレッジ型ETFは2倍未満(12パーセント)にしか増加していません。

 

なので、揉みあうとと、2倍リバレッジ型ETFは、2倍未満しか変化しません。

 

(3) 日経平均が2日連続で10パーセントづつ下がったとします。すると、日経平均は、最初100だとすると、二日後には81で19パーセント減になります。

 

日経平均 100 > 90 > 811 (19パーセント減)

 

では、2倍リバレッジETFはどうなるかというと、44パーセント増になります。

 

2倍リバレッジETF 100 > 80 > 64 (36パーセント減)

 

2日後には、日経平均の減少率(19パーセント)の2倍(38パーセント)になるかと思いきや、2倍リバレッジ型ETFは2倍未満にしか減少(36パーセント減)しません。。

 

なので、下落トレンドがあると、2倍リバレッジ型ETFは、2倍未満にしか減少しません。

 

このずれを、リバランス効果などといいます。

 

ともかく、リバレッジETFは、強い上昇トレンドが出るときは投資効果が良いですが、揉み合いには弱い商品ですね。

 

よくある解説では、リバレッジ型の長期保有に向かないといわれますが、これは正しくありません。長期にj上昇トレンドが出れば、リバレッジ型ETFは2倍以上に大きな収益をもたらします。

 

リバレッジ型ETFを活用すれば、オプション取引で使われる様々な戦略に似たような戦略が、少額でできそうです。

 

以上、リバレッジ型ETFの解説でした。