日本の財政問題とドル円の行方

ずいぶん前から、日本の財政問題については、議論されてきた。ただ、最近はその様相がだいぶ違ってきている。

基本的に、財政問題のある国の国債には2つのリスクがある。一つはデフォルトリスクであり、もう一つは、インフレによる金利上昇である。(仮に満期まで持っていても、インフレが起きた場合は、その国債の価値は実質的に減少する。)

まず、デフォルトリスクについて考えてみよう。ギリシャなど自国通貨建てでない国債では、当然デフォルトすることがある。ただ、日本やアメリカなどの自国通貨の国債については、デフォルトすることはありえない。究極的には、国債の日銀引き受けの財政ファイナンスで乗り切ることができる。

次にインフレリスクについて考えてみよう。黒田金融緩和以前の状態を説明する。国の構成要素としては、政府部門、企業部門、家計部門があるが、以前は政府部門の負債を、家計部門、企業部門の資産がファイナンスしてきた。

日本国全体(政府、企業、家計の三つの合計)を考えると、政府部門の負債は家計部門、企業部門の資産とキャンセルして、日本国全体としては、資産はプラスである。ただ、3つの部門のバランスがひどく崩れているという話だ。ただ、日本国全体で見れば、問題はない。

ただ、金融緩和以後は話が違ってきている。政府部門の負債を、企業、家計部門ではなくて、日銀が自身のバランスシートを拡大して、政府部門の負債をファイナンスしてきているのだ。この場合、日銀は実質上、政府と一体なので、お札を刷って、ばらまいているのと変わらない。

財政ファイナスといえば、江戸時代に金貨に銀を混ぜて、金の流通量を増やしたことを思い出す。財政ファイナスをした場合、インフレになるのは、これまでのたくさんの歴史的な事例からも明らかである。

日銀は、直接引き受けはしていない、市場から買っているといっている。しかし、実質的に、国債市場は機能しなくなってきていて、新規発行国債をどっかの銀行が買って、すぐに日銀に売るようなことになっている。直接引き受けと実質的に同じだ。

つまり、日銀緩和以降は、インフレリスクがとても高くなってきている。(これは円安になるということだ。)なにかのショックやきっかけがあると、金利が急上昇する可能性もあるだろう。

資産の一部を外国建て資産(外貨、外国株)に移しておくことが賢明だろう。

ちなみに私は、ドル、米国株のインデックス投資をしている。

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