日本M&Aセンターの今後の業績と株価の予想(見通し)

日本M&Aセンター(2127)は、中堅、中小企業のM&Aの仲介をする会社です。全国の地方銀行や会計事務所と提携して、M&A仲介では日本最大手です。

日本の少子高齢化、人口ピラミッドが逆三角形になってきているなか、中小企業の社長も高齢化が加速しています。引退年齢近づいている多くの社長がいる中、それを継ぐ人材が不足して事業継承が難しい時代に突入しています。そんな中、この日本M&AセンターはM&Aにより事業継承の問題を解決する事業を展開しており、年々事業を拡大しています。

低成長にあえぐ日本企業の中にあって、高成長を維持している珍しい超優良企業です。

さっそく、日本M&Aセンターの財務の重要指標の推移を、損益計算書、キャッシュフロー計算書、貸借対照表(バランスシート)の順にみていきましょう。下図は日本M&Aセンターの売上高と純利益の推移です。

日本M&Aセンターの売上高(赤)と純利益(黄)の推移

日本M&Aセンターの売上高も純利益も順調に右肩上がりに伸びています。さらに特筆すべきなのは日本M&Aセンターの売上高営業利益率です。通常の企業であれば10%程度である売上高営業利益率が日本M&Aセンターの場合44%と非常に高い水準です。高い利益率は競合が弱い独占的企業の特徴で、日本M&Aセンターは市場を独占しているブランド企業であることがわかります。

損益計算書の売上高と純利益だけでなく、実際の現金の動きを表すキャッシュフローの重要指標の推移も確認しておきましょう。次の図が日本M&Aセンターのキャッシュフローの各数字の推移です。営業キャッシュフローが赤色で、投資キャッシュフローが黄色で、現金および現金同等物が青色です。

日本M&Aセンターのキャッシュフロー

直近(2020年)で投資キャッシュフローが大幅にプラスになっています。決算短信によると、この理由は定期預金の払い戻しによるものだそうです。

営業キャッシュフローは順調に伸びており順調に成長していることが分かります。また、投資キャッシュフローのマイナスは、営業キャッシュフローの範囲以内に収まっており、これまた良い形です。成長企業にしては投資キャッシュフローのマイナス幅が小さいのが目につきます。アマゾンやアップルのように開発に多くの投資をしなくてもよいので、競合が弱く市場を独占している限り日本M&Aセンターは順風といえるでしょう。

次の図が日本M&Aセンターの貸借対照表の各指標の数字の推移です。総資産がオレンジ色で、流動資産が黄色です。負債が水色で、資本が青色で、厳禁及び現金同等物が緑色です。

日本M&Aセンターのバランスシートの各指標の推移

上図をみると日本M&Aセンターは負債に比べて流動資産の割合が大幅に大きいことがわかります。また、流動資産のほとんどを現金でもっていて、財務的には万全です。

次の図が株価と理論株価の図です。理論株価は一株あたりの利益の20倍で計算しています。

日本M&Aセンター の株価と理論株価

株価と理論株価を比べると、将来の成長を織り込む形で割高な株価がついています。PERでみると87倍です。通常のPER水準は20倍程度ですので、日本M&Aセンターは将来の4倍までの成長を織り込んでいると考えることができます。

経営者の高齢化、少子高齢化、後継ぎ不足の問題はこれからも日本において続くでしょう。特に団塊の世代の経営者が次々と引退していくなか、M&A市場はまだまだ成長しそうです。

ただ、日本M&Aセンターの株価自身はそれらの成長をすでに4倍まで織り込んでおり、高値を買っていくのは勇気がいるかもしれません。押し目をねらって投資していくのも良いかもしれません。