LineとFacebookの業績を比較、今後の業績と株価の予想・見通しは?

日本と世界のSNSの最大手であるLINE(ライン)とFacebook(フェイスブック)の業績と株価水準を比較してみたいと思います。

 

この記事の内容をざっくりまとめると次の3点になります。

 

(1) 売り上げや純利益、キャッシュフローなどを見ると、LINEよりもFacebookの方が圧倒的に業績が良い。

(2)広告分野はFacebookが圧倒的に強いが、LINEはスタンプなどで善戦している。

(3)Facebookの株価は理論株価より2倍ほど割高で、LINEの株価は3倍ほど割高と考えられる。

 

早速LINEとFacebookの財務の推移を見てみましょう。

次の図は売上高(緑色)と純利益(青色)のLINE(上図)とFacebook(下図)のそれぞれの推移のグラフです。

(LINE)

Line売上高

(Facebook)

FB-2019-6-売上
LINEは売上高が伸びているのもにもかかわらず、純利益がヨコヨコで最近では赤字が続いています。一方Facebookは売上高の伸びとともに純利益も伸びており良い形をしています。

 

損益計算書の数字である売上高と純利益は、減価償却費等の考え方などで数字はある程度操作することができるので、キャッシュフロー計算書でも業績を確認することが重要です。

 

次の2つの図は、それぞれLINEとFacebookのキャッシュフローの推移のグラフです。両方の図共に青色が営業キャッシュフロー、赤色が投資キャッシュフローを表します。

(LINE)

Lineキャッシュフロー

(Facebook)
FB-2019-6-キャッシュフロー
LINEの営業キャッシュフローはプラスではありますが年々減少している一方、投資フローはマイナス側に拡大しています。投資キャッシュフローのマイナス幅が営業キャッシュフローの範囲内であることが良いキャッシュフローの形の原則ですが、LINEの場合はこの形から外れており、あまり良くない形をしています。

 

一方、アマゾンの場合は営業キャッシュフローが年々増大しており、そしてその範囲内で投資キャッシュフローが賄われており大変に良い形をしています。営業キャッシュフローと投資キャッシュフローのグラフがいわゆるワニ口の形をしており、優良成長企業の証しといえます。

 

これまで見てきたように、売上高と純利益などの損益計算書の数字やキャッシュフロー計算書の数字を見ても、LINEよりもFacebookの方が全然良い形をしています。

 

それではLINEとFacebookのセグメント別の売上高、利益の表を順に見ていきましょう。

 

次の図はLINEの分野別の売上高の表です。

(LINE)

Line分野別

LINEはやはり広告がビジネスの柱になっていますが、LINEスタンプなどのコミニケーション・コンテンツ事業もそれなりの売上高を上げています。ラインはスタンプ事業がオリジナリティのある大きな柱ビジネスですね。

 

次の図はやはり同じ位のセグメント別の売上高と利益の表です。

(LINE)

Lineセグメント別
LINEのコア事業の売上高そして利益はまあまあですが、戦略事業の方ではまだ利益が出ていません。戦略事業にはLINEペイなどの新規事業が含まれています。バーコード決済にはソフトバンクのPayPayなどの競合がたくさんあり、LINE Payも苦戦が強いられるでしょう。

 

次にFacebookのセグメント別の売上高を見てみましょう。

(Facebook)

FB-2019-6-セグメント
FacebookはLINEとは違い、広告がほとんどの売上高を占めています。FacebookはLINEよりもより多くの個人情報を握っており効果的な広告を出すことができます。SNS系の広告としてはFacebookが最強でしょう。

 

次にFacebookの地域別の売上高も見てみましょう。

(Facebook)

FB-2019-6-地域別
Facebookの売上高は北米がやはり最大ですが、世界中で売上高を上げており、世界的な企業になっています。その一方LINEはまだまだ日本国内が中心で、世界的な企業と言う風にはなっていません。

 

次にLINEとFacebookの株価と理論株価をそれぞれ見ていきましょう。(理論株価は1株当たりの純利益の15倍で計算しています。)

(LINE) 青色が株価、黒が理論株価です。

Line株価
(Facebook) 緑色が株価、青色が理論株価です。
FB-2019-6-株価
LINEの理論株価は、1株当たりの純利益がマイナスとなっているために途中で切れてなくなってしまっています。またLINEの株価も理論株価よりもだいぶ高い水準でヨコヨコで推移しています。純利益がマイナスとなっているために適切な理論株価が導けないのですが、別の考え方でLINEの適切な株価水準を見積もってみましょう。

 

1つの考え方は時価総額が売上高と大体同じ規模になると言う考え方があります。この考え方をLINEに当てはめるとLINEの株価は1株あたりの売上高の4倍となっており、適切な株価水準は現在の株価の4分の1程度と考えることができます。

 

一方Facebookは株価も理論株価も順調に成長しており良い形をしています。株価は理論株価の2倍程度と将来の成長を織り込んでいると考えればそれほど高い水準ではありません。

 

株価で見ても、LINEよりもFacebookの方が割安感がありますね。

 

インターネットの世界は最強企業が1社だけ生き残るモノポリーの世界です。その昔はミクシィやグリーなどもSNSを運営していましたが、今やFacebookに駆逐されてしまっています。今のところLINEは日本国内でメッセージアプリ最強ですが、海外を見るとMessengerやwhat’s app などFacebook傘下のメッセージアプリが主流になっています。LINEは今のところスタンプなどで人気を保っていますが、今後LINEがFacebook系のメッセージアプリに駆逐されないかどうか慎重に見極める必要があります。

 

投資戦略としては、株価の割安感から見てもLINEよりもFacebookの方が良いと思われます。

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