注文方式と板情報

FXや株などのトレードで使われる各種の注文方法について、気配値(板情報)の観点から解説します。FXの場合は気配値は大抵の場合直接は見えないのですが、考え方として板情報は重要です。

 

板情報と気配値とは

 

気配値(板情報)とは、その銘柄に出されている売りや買いの指値注文を価格ごとに分類して表示したものです。英語ではorder bookとも呼ばれます。

板情報と気配値

中央にあるのがその銘柄(FXの場合は為替レート)の価格です。その左側に売り注文が並び、右側に買い注文が並びます。左右にある売り・買い注文はその価格で売りたい・買いたいということを表しています。これを気配値などとも呼びます。

 

もし、売り注文と買い注文が同じ価格にあると取引が成立するので、それらの注文は板情報からは消えてなくなります。なので、買い注文と売り注文が同じ価格には存在しないわけです。また、売るときはなるべく高く売りたいので、左側の売り注文は上方向に注文が並びます。同様に買うときはなるべく安く買いたいので、買い注文は下に並びます。

 

売り注文の一番安い価格と買い注文の一番高い価格を最良気配値と呼びます。売り注文と買い注文の最良気配値の価格差が「スプレッド」と呼ばれます。

 

流動性が低いと(板がスカスカだと)このスプレッドが広き易くなり、投資家にとってコストとなるので注意が必要です。

 

成行注文

 

成り行き注文(Market order)は、すぐに注文を約定させたい時に使います。メリットはすぐに約定できるところです。デメリットは、場合によっては思いもよらない不利な価格で約定することがあります。

 

買い場合だと、板情報の左側に最良気配値の売り注文に、買いの成り行き注文をぶつけて約定させます。もし買いの成り行き注文の量が沢山あると最良気配値にある売り注文だけでは吸収できずにもう一つ高い売り注文と約定させることになります。(場合によってはさらに高い売り注文)よって、大量の成り行き買い注文があるとその銘柄の価格が上昇していくことになります。売りの成り行き注文も同じです。

 

基本的には、この成り行き注文が大量に来た時に、価格が大きく動いて相場が急変します。

 

指値注文

 

指値注文(Limit order)は、この値段で買いたい、売りたいと価格を指定して注文を出す方法です。メリットは自分の希望する価格よりも不利な価格で約定する可能性はないことです。デメリットは、必ずしもオーダーを出した価格に到達せずに約定することができないことです。

 

売りの指値注文は、板情報の左側の売り注文の一部となって並びます。同様に買いの指値注文は板情報の右側の買い注文の一部となって並びます。板情報の気配値は全ての取引参加者の指値注文をリスト化したものになります。

 

今すぐ注文を約定させたい場合は、指値注文ではなくて成り行き注文を使うことになります。

 

逆指値注文

 

逆指値注文は、自分の思惑が外れて相場が逆流した時に、損(利益の場合もある)を確定する時などに使われます。

 

売りの場合の逆指値を説明しましょう。売る場合はなるべく高く売りたいのですが、自分の思惑とは逆に価格が下がる場合もあります。そのような場合に、現在の価格より低い価格にトリガー価格として逆指値注文を入れます。もし価格が思惑から外れて下落していき自分の設定してあるトリガー価格に到達した場合に、逆指値では自動的に売りの成り行きが実行されます。買いの逆指値も同様です。

 

この逆指値を入れておけば、相場が自分の思惑から外れて逆行しても損失をあらかじめ限定しておくことができるわけです。

 

相場が自分の思惑通りに動いて行った時に、逆指値のトリガー価格を切り上げていくことで、利益の確保をすることもできます。

 

トレードで新規に注文したら、とりあえずこの逆指値で損失を限定するのがトレードの基本となります。

 

逆指値で注意すべきなのは、トリガー価格に到達してから初めて成り行き注文を出すので、自分の設定したトリガー価格より不利な価格で約定するリスクがあることです。

 

まとめると、「指値は滑らないけど、逆指値は滑ることが多い」というわけです。これは証券会社やFX会社が悪いわけではなくて、注文の処理の方式のシステムな理由なので仕方ないですね。

 

OCO注文

 

OCO注文はポジションを持っている時に、利確幅と損失幅を同時に確定させたい時などに使います。OCO注文は「One side done then Cancel the Other order」の略で、同時に指値と逆指値の注文を出すことができます。そして、どちらかの注文か実行された時にもう一つの注文は自動的にキャンセルすることになります。

 

私は、短期トレードの場合、ポジションを持ったらほぼ必ずこのOCO注文を出して利益幅と損失幅を確定させています。(その後の相場展開によってはOCO注文を待たずに決済することやOCO注文の価格を変更することもありますが、、、)

 

IFD注文

 

IFD(イフダン)注文は、新規注文が約定したが自動的に決済注文が出されます。これは新規注文が約定した時に、自動的に損切り注文を入れたい時などに使います。英語の「If Done」の略になります。新規注文で指値や逆指値を多用する人には、損きりを自動的に入れることができ使い勝手が良いでしょう。

 

IFO注文

IFO注文は、新規注文の指値・逆指値注文と、決済のOCO注文を組み合わせた注文方式です。英語では、IFO注文は「If Done+One Cancels the Other order」の略になります。
IFO注文は、新規注文も決済注文(利確幅・損切り幅)も最初から確定させてしますので、とても計画的なトレードができます。初心者のころは特に意識をしてこのIFO注文を使うとトレードの計画性が身に付いて良いと思います。

 

FXの場合の事情

 

FXの場合は、この板情報(気配値)が見れないことが殆どです。大抵のFX会社だと、銀行間の為替取引の市場(インターバンク市場)に直接個人トレーダーの出す注文が伝わっているわけではありません。インターバンク市場と個人投資家の間にカスタマーディーラーと呼ばれるFX会社のディーラーが挟まっています。そのためにFX会社とのFX取引は「相対取引」と言われるのです。

 

FX会社から実際に我々に提示されているASKとBIDの価格は、FX会社のカスタマーディーラーが設定したものなので、実際のインターバンク市場の最良気配値とは違います。極端な話を言うとFX会社は好き勝手にBIDとASKの価格を設定することができるわけです。(あまりひどいと、顧客から文句が来るので、それほど好き勝手できるわけではありませんが、レート配信についてFX会社と個人トレーダーの間のトラブルになることがたまにあります。)

 

FX会社の配信するレートとインターバンク市場のレート差や、客同士の注文をマージすることでFX会社は利益を上げているわけです。

 

このような事情で、FXの場合は板情報を直接見たりすることはできませんが、FX会社のカスタマーディーラーの背後にはインターバンク市場の板情報がありますので、そのことを念頭に置いてトレードした方が良いでしょう。