楽天の今後の株価と業績の予想・見通し

楽天(4755)は三木谷社長率いる日本の複合型総合インターネット企業で、インターネットショッピングモールの楽天市場、旅行予約サイトの楽天トラベル、楽天銀行、楽天証券、楽天カード、結婚相談所のオーネット、最近では携帯キャリア事業にも進出しています。

 

楽天市場には強力なライバルのアマゾンがあります。筆者は両方のサイトともに使ったことがありますが、現在では楽天市場はあまり使わなくなりました。個人的な感想としては、アマゾンに比べて楽天市場のサイトは見にくくて使いにくい印象です。サイト構築の技術力の差を感じます。アマゾンに対抗してeコマースを広げていくのはこの日本国内に限っても大変そうです。

 

一方、楽天銀行、楽天証券、楽天カードなどの金融事業は国内にはアマゾンのような強敵がおらず今後も順調に業績をのぼすでしょう。実際に楽天証券や楽天カードを使ってみてもサイトの使いやすさ、サービスも他社をリードしており、金融部門のIT技術力は高いものを感じます。楽天市場とのサイト完成度の差は何かと思うことがあります。

 

さらに最近になって、楽天は携帯キャリア事業も始めました。既に日本国内では携帯電話は行き渡っており、さらに既存の三大キャリアに占有されています。ここから参入となると既存のキャリア事業者から客を奪わなければならないので、必然的に価格競争になります。なので、なかなか大きく儲けるのは難しいように思います。

 

さて、実際の楽天の一株当たりの売上高(緑)と純利益(青)の推移をみてみましょう。

楽天売上高
ここ10年にわたって楽天の売上高は順調に伸びています。ただ、上表をみてもわかる通りインターネット系の企業にしてはそれほど売上高利益率は高くないですね。

 

上の図だと、売上高に比べて純利益が小さくて見にくいので、一株当たりの純利益(青)だけ取り出したのが下の図です。

楽天利益

楽天の純利益も少しづつですが、順調に伸びています。

 

損益計算書の数字(売上高、純利益)だけでなく、財務を立体的にみるためにキャッシュフローの推移も確認してみましょう。下の図は楽天の営業キャシュフロー(青)と投資キャシュフロー(赤)です。

楽天キャッシュフロー

キャシュフローは営業キャシュフローがプラス、投資キャシュフローがマイナスで営業キャシュフローの範囲内で投資キャシュフローが賄えているのが理想的です。楽天の場合は多少の凸凹はありますが、営業キャシュフローがプラス、投資キャシュフローがマイナスでまずまずの形をしています。ただ営業キャシュフローに対して、投資キャシュフローが少し大きすぎる感じもします。

 

次の図が楽天のセグメント別の売上高、利益の表です。
楽天セグメント別

楽天には3つのセグメントがあり、インターネット分野が売上高、利益ともに最大、続いてフィンテック、モバイルの順に続きます。モバイル分野は楽天の携帯事業で、ドコモ、KDDI、ソフトバンクに続く第4の携帯キャリアとして事業を始めています。モバイル事業はまだまだ黒字化できていません。携帯市場は既に三大キャリアで飽和状態にあり、今から参入する楽天が大きく儲けることは難しいでしょう。

 

次が楽天のサービス別の売上高の表です。
楽天商品別
楽天の主要サービスの楽天市場、楽天トラベル、楽天カード、楽天銀行はどれも前年度に比べて順調に売上を伸ばしています。楽天市場には、アマゾンという強力なライバルがいます。アマゾンに比べて楽天市場はサイトが見にくい印象があり、なかなかアマゾンとの競争に勝つのは難しいと考えられます。

 

次の図は地域別の売上高の表です。
楽天地域別

楽天の地域別の売上高をみると、日本がダントツに最大で、続いて米国、そして欧州と続きます。楽天は英語を社内公用語にしたりしていますが、なかなかその効果は出ていないようです。インターネット分野で日本企業が世界的に存在感を出すのは難しいですね。。。製造業の分野ではトヨタや村田製作所など世界的な日本企業があるんですが、、、

 

次の図が楽天の株価、理論株価の推移です。(ここで理論株価は一株あたりの純利益の15倍で計算されています。)
楽天株価

楽天の株価は、2018年頃までは理論株価を上回っていましたが、現在では理論株価が急上昇して逆転しています。

 

楽天の事業は多岐にわたっていて、新規事業も多く単一セグメントの会社に比べてなかなか業績の見通しを立てづらいところがあります。ただいろいろな事業に手を出しているという事で常に高い成長を狙っているところは投資家としては評価したいですね。

 

企業には大株主が社長をしているオーナー社長と、大株主ではなく株主から雇われているサラリーマン社長がいます。オーナー社長は自分の一存で会社を動かすことができて機動力があり、判断が良ければ会社を大きく成長させることができます。それと同時にオーナー社長が判断を誤ると会社が失速するリスクもあります。一方、サラリーマン社長は基本雇われているので無難に経営するケースが多く安定はしているかもしれませんが高成長はしにくいです。オーナー企業の代表例がソフトバンクで、サラリーマン社長の企業の代表例がドコモなどです。

 

楽天は三木谷社長率いる典型的なオーナー企業で、三木谷社長の経営方針の元、色々なリスクを取りながら会社を大きく成長させてきました。今後も三木谷社長の経営能力を信じるならば、株価はそれほど割高ではないので、投資しても良いかもしれません。ただ、IT企業には強力なライバルも多いので、その辺は要注意です。

 

*投資は自己責任でお願いします。

matched contents