今回のコロナ騒動と過去の金融ショック(1990年のバブル崩壊、2001年のITバブル崩壊、2007年のリーマンショック)などの解説

コロナショックにより2020年2月末から世界的に株価が大暴落しています。日経平均株価は、2020年1月に付けた24,000円代から一時16,000円まで急落しました。またニューヨークダウも、29,000ドル台から一時18,000代まで急落しました。株価の大暴落は過去に何度もありましたが原因は様々です。また、このような金融ショックを受けると投資商品を販売している銀行などの金融機関は、顧客のフォローに追われることになります。筆者は、メガバンクの現役行員です。リーマン・ショックの時も顧客フォローを行いましたし、現在も顧客フォローの真っ只中です。そこで今回は、代表的な金融危機であるリーマン・ショックとコロナ・ショックについてとリーマン・ショックとコロナ・ショックの時に銀行の顧客フォロー方法について説明します。

 

リーマン・ショックの原因

リーマン・ショックが起こった原因には様々な原因がありますが、リーマン・ショックを引き起こした最大の原因は、「サブプライムローン」です。リーマン・ショックは2008年に起きた金融ショックですが、サブプライム・ローンは、この2年前の2006年頃から本格的に販売されていたローンです。サブプライムローンとは、返済能力や信用力の低い個人にお金を貸す住宅ローンのことをいいます。

 

当時のアメリカは、ITバブルの後処理を行うため金利を引き下げており、市場にお金が余っている状態でした。多くの銀行はお金を貸す相手を探しており、そこで目を付けたのが本来、住宅ローンを組むことができない信用力が低い個人です。当時、アメリカの住宅価格は、右肩上がりで上昇しており、家を買って売却すればすぐに利益を取れる状況でした。住宅市場が好調なことも後押しして、多くの銀行は、信用力の低い人にどんどんお金を貸して行きました。

 

なぜ信用力の低い個人のお金を貸したかというと先ほど説明したお金が余っていたことと、信用力の低い人にお金を貸せばそれだけ高い金利を取ることができるからです。また企業に融資する場合に比べて、住宅ローンは小口なので仮に回収できなくても損失が少なくて済むことも理由になりました。サブプライムローンは飛ぶように売れていき、多くの銀行は高い金利を受け取ることができました。

 

しかしこのサブプライムローンですが、住宅ローンを組んだ当初の金利は比較的抑えられていますが、ある一定期間経過すると金利が爆上がりする商品性になっていました。サブプライムローンを組んだ人の多くは、収入の少ない信用力が低い人たちです。金利が比較的抑えられていたうちは問題なく返済することができましたが金利が爆上がりしたタイミングで返済できない人が続出しました。

 

当時、銀行は返済が滞っても住宅を売却させれば資金を回収できると踏んでいました。なぜなら住宅価格は右肩上がりで上昇していたからです。しかし、住宅市場に陰りが見え始めると事態は一変します。住宅を売却しても資金を回収することができなくなり。金利の上昇のせいで住宅を手放す人も急増しました。多くの住宅が売りに出されると当然ですが、住宅価格は更に下がります。この状況になるとローンの回収は難しくなります。

 

このサブプライムローンで最も大きなダメージを受けたのがリーマン・ブラザーズです。リーマン・ブラザーズは、サブプライムローンを、証券化して多くの投資家に販売しました。しかしサブプライムローンが破綻したことによって莫大な損失を負うことになり、倒産してしまったのです。当時、アメリカの大手証券会社が倒産するなど誰も予想していなかったため、市場は衝撃を受けました。結果、市場に大きな不安感が広がりリーマン・ショックが起こったのです。

 

リーマン・ショックの時の銀行の顧客フォロー

銀行は2001年に投資信託の販売が全面解禁されており、たくさんの人に投資信託を販売してきました。銀行は、証券会社に比べて身近ですし預金があるので多くの人は銀行で投資信託を購入しました。投資信託だけでなく投資型保険や証券仲介など様々な金融商品を銀行で販売できるようになり、銀行は金融商品の販売にものすごく力を入れていた時期です。そんな中リーマンショックが起きたので大変な状況になりました。そもそも銀行員は、投資のプロではありません。適当なことをいって販売していたケースもあり、多くの顧客は銀行にクレームを入れました。

 

当時、筆者が在籍していた支店では毎日、窓口で大声を出す顧客がいるなど大変な環境の中、フォローをしていたことを思い出します。支店長や課長と大口の顧客からフォローしていき、多くのお叱りの言葉を受けました。しかし逃げることなく、誠実に対応した銀行が多かったと思います。

 

コロナショックの原因

コロナショックが起きた原因は、リーマンショックとは全く異なります。経済・金融の状況は決して悪くなく、むしろ好調でした。しかし、中国武漢発のコロナウィルスという外的な要因のせいで、状況は一変しました。コロナウィルスが猛威を振るいを多くの方が亡くなり、また感染力が異常に強く、経済どころの騒ぎではなくなってしまい先行きに不安を覚えた多くの投資家が投げ売りに近い状況で株式などを売却をしたことによってリーマンショック並みに金融ショックになってしまいました。

 

しかし経済・金融を起因とした金融ショックではないためコロナウィルスが終息すればV字回復する可能性は十分にあると見ているアナリストもいます。今後どうなるか分かりませんがコロナウィルスが一刻も早く終息することを心から願ってします。

 

コロナショックの時の銀行の顧客フォロ

コロナショックの時の銀行の顧客フォローは、リーマン・ショックの時とは全く異なります。リーマン・ショックの時の顧客フォロー方法はとにかく対面してフォローすることでした。しかしコロナショックは、コロナウィルスを顧客に移す可能性があるため、面談でのフォローは行っていません。またリーマン・ショックの時対比銀行の経営は厳しくなっているので、支店に在籍する営業員の数は少なくなっています。多くの銀行がコールセンターを持っているのでコールセンターからのフォローが主になっています。コールセンターに在籍している人は行員だけでなく非正規雇用のスタッフもいます。明らかにリーマン・ショックの時と比べ顧客フォローはおざなりになっています。

 

まとめ

今回は、リーマン・ショックとコロナショックを比較しそれぞれの金融ショックについて説明しました。金融危機は過去に何度も起きています。しかし時間がかかっても株価などは回復してきました。コロナショックが終息したあとどうなるか分かりませんが、過去のケースを見ると、回復する可能性の方が高いと思います。このタイミングで長期で株などを保有できる人は購入するにはいいタイミングであると思います。

 

また銀行のフォローは、銀行の経営状況によって大きく変わります。リーマン・ショックの時は対面でフォローしてくれましたが今は、電話でのフォローです。金融機関のフォローはこのように時代によって大きく変わるので正直あてにできません。株などの投資商品を購入する際は、金融機関のフォローはあてにしないのが良さそうです。

 

*本稿は協力執筆者による記事です。

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