理論株価の実践的な計算法

理論株価を計算すると上がる株、下がる株がわかります。理論株価を計算することは、テクニカル手法よりも確実に投資の役に立ちます。実際に理論株価を計算しないで、どうやって株投資をするのか皆目見当がつきません(笑)

 

理論株価には、いろいろな計算の仕方があります。どの計算の仕方でも、常に理論株価と実際の株価とは乖離はつきものです。ただ、現在の株価が、割高か割安かを判断するために、投資する前に理論株価をしっかり押さえておく必要がありますね。

 

また、理論株価を計算するために、財務諸表など過去の業績を確認しなければいけませんが、このプロセスを自分自身で行うことが、その企業の株を評価をする際に重要になります。どちらかというと、出てきた理論株価自身よりも、それを導く過程で、過去業績を確認するというプロセスが株の評価にとても役に立ちます。

 

株式投資で重要なのは、理論株価に比べて、実際の株価が割高が割安が判断することです。

 

そのためには、まず理論株価をどう計算するか知る必要があります。理論株価にはいろいろな計算の仕方があるが、その中でも、計算がやさしく実践的だと思われるものを初心者編、上級編に分けて紹介していきます。

理論株価(初級編)

 

理論株価は次の2つの要素からなると考えます。

1, 資産価値
2, 利益価値

理論株価を計算するときには、これらの要素を含めた形で計算しますが、いきなりですがその理論株価の計算式は次の通りです。

(理論株価)=(一株当たりの純資産)*0.2 + (一株当たりの純利益)*15

 

ひとつづつ説明していきます。

まず、最初の項である(一株当たりの純資産)*0.2 は、一株あたりの企業の資産価値を表します。なぜ、0.2をかけているかというと、企業の純資産は、すべて換金価値のある本当の資産とはみなせないからです。とりあえず、換金価値のある資産は、純資産の20%であるとして、計算します。

 
本来は、企業の決算書を見てもう少し詳しく計算する必要がありますが、この辺の事情は上級編で導入する事にしましょう。ちなみに、ここででてきた(一株当たりの純資産)を英語でBPS(Book Value Per Share)ともいいます。

理論株価の式の右辺第2項にでてくる(一株当たりの純利益)は、英語でEPSといい、企業が一年で稼ぎ出す一株あたりの利益を表します。およそ投資家としては、投資金額を15年で元を取り戻したいので、(一株当たりの純利益)に15倍をかけるとその企業の一株あたりの利益価値になると考えます。なので、(一株当たりの純利益)に掛ける係数として、15前後の数字を使います。

しかし、より詳しく計算するには、今後が有望な成長分野の企業であれば、25や30に近い数字を使い。成熟、衰退分野の企業であれば、10を使うなど微調整をします。ただ、慣れないうちは、とりあえずなんでも15で良いでしょう。

この式を計算するための、(一株当たりの純資産)や(一株当たりの純利益)は、決算書や会社四季報など、どこでも見ることができるので参照してください。とくに4Qの一年をまとめた決算短信がおすすめです。

このやり方で計算した理論株価と実際の株価を比べて、割安、割高の判断をして投資していくことになります。

 

 

理論株価(上級編)

 

まず、上級編の理論株価は、次の3つの要素からなっていると考えます。成長価値の項が追加されて、資産価値の計算方法が、より精緻になっています。

1, 資産価値
2, 利益価値
3, 成長価値

 

そして、理論株価は次の式で計算されます。

 

理論株価 = (資産価値+利益価値+成長価値)÷ 発行済み株式数

 

ここで、それぞれの価値はつぎで計算できます。

資産価値 = 流動資産 ー 負債

利益価値 = 純利益 × 15

成長価値 = 純利益 × 係数A

 

ここで係数Aは、ー5から15の間の値をとります。成長過程にある企業は最大15で、停滞企業は最小ー5とします。各企業の成長にあわせて係数をきめていきます。平均な企業であればとしてはゼロで良いでしょう。

 

それぞれの価値(資産、利益、成長)について詳しく説明してきます。

 

資産価値

この部分の計算は初級編よりも精緻になっています。企業の資産価値は以下の通りに計算できます。

 

資産価値 = 流動資産 ー 負債(固定・流動の両方)

 

ここで、負債は固定負債と流動負債の両方を足します。

 

詳しく説明しましょう。

資産価値とは、今現在、その企業が持っている資産の価値です。個人でいえば、預金や家や自動車などの資産です。企業の場合は、貸借対照表の純資産にあたります。おおざっぱにいって、会社が解散したときに、すぐに現金化できる資産を表します。

 

ただし、貸借対照表の資産には、のれんなど換金性のないものもあり、書いてある資産を全部、本当の資産にはできません。そこで、換金性の低い固定資産は無視して、流動資産だけに換金性がある本当の資産と考えます。

 

固定資産は、単に将来に償却しなければいけない費用が並んでいることも多く、イマイチその価値を信用できませんので。。。

 

そして、流動資産から負債全体をひいた額が、その企業が持つ本当の資産だと考えます。大雑把な考え方ですが、多くの場合、会社の持つ資産評価の良い近似となります。

 

利益価値

企業の利益価値は以下の通りに計算できます。

利益価値 = 純利益×15

 
この項は初級編と同じです。
利益価値とは、現在、その企業が毎年生み出すことのできる純利益に対する価値です。毎年、その企業がどれくらいの利益を生み出しているのかを測ります。損益計算書の純利益などでその価値を測ることができます。15年で投資額を回収できるとかんがえると、純利益の15倍程度がその企業の利益価値を考えられます。(この15という数字は日経平均のPERの平均的な数字と同じです。)

 

成長価値

この項は初級編にはなかったですね。上級編で新しく登場です。企業の成長価値は以下の通りに計算できます。

 

成長価値 = 純利益×係数A

 

ここでこの係数Bはー5から15の間の値をとります。成長過程にある企業は15で、停滞企業はー5とします。それぞれの企業の成長具合にあわせて、この係数を決定します。

 

この成長価値ですが、これは文字通り、今後その企業がどれ位成長余地があるかで計られます。市場が飽和衰退して、競合が沢山あれば、この成長価値は小さいと考えます。(係数Aは小さい)

 

一方、新しい市場で、まだまだ競合も弱かったり、少なければ、この成長価値は高いとかが得ます。(係数Aは大きい。)成長価値はこれまでの業績を見るだけでなく、自社、競合など企業業績以外の側面からも総合的に判断する必要があります。

 

理論株価の計算方法

理論株価を計算するときには、資産価値、利益価値、成長価値の3つの要素をすべて足してものと発行済み株式数で割って、一株当たりの価格になおした値を使います。

 
発行済み株式数で割って、まじめに計算するのは結構面倒くさいので、もうすこし簡単に計算できるように式を変形します。理論株価の数式を少し数学的に変更すると、理論株価は以下の式で計算できることがわかります。

 

(理論株価)=(流動資産 ー 負債)÷ 純資産 × 一株当たりの純資産 + (一株当たりの純利益)×(15 + 係数A)

 

ここで、係数Aは、その企業の成長の期待値に合わせて、-5から15までの数字となります。よくわからなければ、ゼロとすれば良いでしょう。成熟産業であれば-5倍、成長産業であれば15倍とかを掛ければよいです。

 

この式にある、流動資産、負債、純資産、一株当たりの純資産(BPS)、一株当たりの純利益はすべて決算短信に数字が書いてあるので、決算短信をみれば簡単に理論株価が計算できます。

 
この初級編または上級編の理論株価の計算式をつかって、株価の割高、割安を判断していきます。

会社四季報CD-ROMで理論株価を計算する

理論株価で割安銘柄を探すには、CDROM版の会社四季報の

会社四季報でのスクリーニング機能に挿入すべき計算式は以下の通りですので参考になさってください。

(1)理論株価:

([連・流動資産(-1)]-[連・負債(-1)])/[連・純資産(-1)]*[連・1株当り純資産(円)(-1)]+[連・1株益(円)(0)]*15

 

(2)株価

[DL・日足終値(円)(-1)]

 

(3)理論株価/株価の比率

(([連・流動資産(-1)]-[連・負債(-1)])/[連・純資産(-1)]*[連・1株当り純資産(円)(-1)]+[連・1株益(円)(0)]*15)/[DL・日足終値(円)(-1)]

 

です。

また、会社四季報CDROM版は以下で手に入ります。

 

このやり方で計算した理論株価と実際の株価を比べて、割安、割高の判断をして投資をしていくのが王道です。

 

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