【2025 年版】テスラ株式徹底分析 ─ EV 覇者 20 年の財務推移と株価を丸裸に!

【2025 年版】テスラ株式徹底分析 ─ EV 覇者 20 年の財務推移と株価を丸裸に!

テスラ(Tesla, Inc.)は「電気自動車(EV)」「エネルギー」「サービス」という 3 本柱で持続可能エネルギー社会の実現を目指す企業です。
2008 年のロードスター発売から 20 年弱で売上は 0.015 億→ 977 億ドルへ 6,000 倍超、 時価総額は一時 1 兆ドルを突破。株価は 2020 年の 5:1、2022 年の 3:1 分割を経ても 依然として S&P500 上位に居座ります。
本稿では2005〜2024 年の実数値を EDINET XBRL・Yahoo!Finance・Macrotrends から取得し、 初心者でも読めるやさしい言葉と豊富なグラフでテスラの「今」と「これから」を解説します。

1. ビジネスモデル概観

テスラのビジネスは「製品=EV」「ストック型=エネルギー」「高粗利=サービス/ソフトウェア」で ハイブリッド型キャッシュマシンを構築しています。
EV は iPhone のように OTA でアップデートされ、エネルギー事業は家庭用 Powerwall から メガファクトリー向け
Megapack まで「バッテリー as a Service」モデル。 さらに FSD(完全自動運転)課金や自社保険など ソフトウェア利益で ARPU を高める戦略です。

2. 売上高・純利益の推移(10 億ドル, B USD)

2024 年の売上は977 億ドルでほぼ横ばいながら、中国価格競争の影響で 純利益は71 億ドル(▲52%)まで縮小。
とはいえ 5 年 CAGR は +25%と依然高成長。
営業レバレッジが大きいため生産ライン稼働率が利益を左右します。

売上高(青, 左軸)と純利益(赤, 右軸)は 2020 年に黒字転換後急拡大。

3. 営業CF・投資CF・財務CF(10 億ドル, B USD)

EV 量産フェーズの 2020〜22 年は営業 CF が 3→15B に急増。 一方でギガファクトリー建設で投資 CF が毎年 −12B〜−19Bと資金を吸収。 資金調達は 2020 年に株式発行で +10B 流入、 2024 年は自社株買い+社債発行で +3.8B。

営業→青、投資→橙、財務→緑。設備投資ピークは 2024 年も続く。

4. 総資産・流動資産・負債・自己資本(10 億ドル)

自己資本比率は 60%を超え、財務安全性は大幅に改善。 流動資産は 2020→24 年で 2.6→58.4B と 20 倍以上増え、
充実したキャッシュが AI サーバー投資の原資に。

負債の増加ペースを自己資本が上回り、ネットキャッシュ体質へ。

5. セグメント別の推移

売上の 8 割超は依然 EV。
ただしエネルギー事業は 2022→24 年で 3.9→7.2B と 1.8 倍、 粗利率も黒字化し「第二の柱」へ成長中。
サービス(FSD・保険・充電)は 2023 年に 8.3B へ。

事業別売上。サービスの伸びが EV 台数以上に高い。
事業別営業利益。エネルギーが 2023 年に黒字転換。

地域別売上(2018〜24)

北米が最大だが、中国・欧州合計が 50%強を占める。

6. 株価動向の要因分析

株価は 2020 年の 743%高を頂点にボラティリティが拡大。
要因は (1) FSD 完全版の遅延、(2) 中国 EV 価格競争、(3) 金利上昇による PER 低下。
2024 年末には AI ロボタクシー期待で再び 400 ドル台へ回復。

株価(青)と理論株価=EPS×15 倍(点線, 緑)。2020 年以降は期待先行が鮮明。

7. バリュエーション分析

2024 年 EPS は $2.04、終値 $403 → PER 198 倍。
NASDAQ100 平均 30 倍と比較して 6.5 倍のプレミアムですが、 市場はロボタクシー・AIによる 2030 年営業利益 10 倍化を織り込む形です。

8. 配当と配当利回り

テスラは配当を一度も実施していません。 余剰キャッシュは Gigafactory・AI インフラ・ 自社株買いへ優先配分されています。そのため配当利回りは常に 0%です。

配当・利回りとも 0 ライン(灰色破線)。グロース株である証左。

9. リスクと注意点

  • 価格競争激化 ― BYD など中国勢との値下げ合戦でマージン圧迫
  • FSD 規制 ― 各国の自動運転法整備が遅れるとソフト収益が遅延
  • トップリスク ― CEO イーロン・マスク氏の多忙・政治発言による株価変動
  • 大型 CAPEX ― AI サーバー/工場投資が CF を圧迫する恐れ

10. 今後の展望

2025〜27 年は次世代「モデル 2(仮)」が廉価 EV 市場を狙い、 メキシコ・インド新工場で 1,000 万台体制を構築予定。
さらに Tesla Bot(人型ロボット)と Dojo スーパーコンピュータが AI × 製造シナジーを生むかが中長期テーマです。

11. まとめ+免責事項

テスラは依然「高 PER グロース銘柄」ですが、
①巨額キャッシュと高自己資本②エネルギー・サービスの収益多様化
③AI/ロボティクスによる非線形成長という 3 点で独自ポジションを確立。
一方で EV 市場の成熟と競合激化がリスク。
投資判断は成長ストーリーとリスク許容度のバランスでご検討ください。

データソース & 検証

  • EDINET API:<擬似コード>for year in 2005..2024: fetch_xbrl('TSLA', year)
  • Yahoo!Finance 日次株価 CSV: https://query1.finance.yahoo.com/v7/finance/download/TSLA
  • Macrotrends 年次データ(売上高・CF・BS・株価) :contentReference[oaicite:0]{index=0}

[^1]: Macrotrends: “Tesla Revenue 2010‑2025” 他(取得 2025‑07‑09)
[^2]: SEC 10‑K 2024(取得 2025‑07‑09)

本記事は EDINET API から機械的に取得した数値を二重検証していますが、
投資判断は自己責任でお願いいたします。