アメリカ経済の現状を把握して、今後の世界経済の動きを予想してみたいと思います。
まずアメリカの人口ですが、およそ3億人です。日本の人口のおよそ3倍弱ですね。アメリカのGDPは1700兆円程度です。なので一人あたりのGDPは500万円強です。日本より若干高い程度でしょうか。
アメリカのGDP成長率を見てみましょう。
(tradingeconomics.comより。以下の図やデータも同様。)
上図の赤線が2パーセントのラインです。アメリカのGDPの成長率は大体この2パーセントの付近をうろうろしています。日本やユーロ圏に比べて、アメリカ経済は力強い感じがしますね。この水準はFRBのインフレターゲットである2パーセントともだいたい一致しています。
アメリカ経済のGDPそのものは以下のようになります。アメリカGDPの50年間の推移です。
いやー、この50年間アメリカの経済は順調に伸びていますね。これくらいの長いチャートをみると、リーマンショックの時でさえ、そのGDP自身の落ちこみは大したことがないですね。
世界経済が大混乱して、株価が大暴落していたリーマンショックのときでも、アメリカ経済はちゃんと動いていたわけです。
まあ、リーマンショックのときでも、ご飯は食べるし、携帯電話も使うし、電車にも乗るので、株価みたいにGDPが半分になったりはしないんですね。なので、こういう大暴落の時こそ、経済のファンダメンタルを信じて投資していくことが重要なんですね。
次はここ60年間のほどのアメリカ失業率の推移です。
2008年あたりのリーマンショックのころの時に、失業率が10パーセント近くになりましたが、だいぶ下がってきましたね。歴史的に見ても、そろそろ傷口が癒えてきたといった感じでしょうか。
ユーロ圏と比べて、失業率の低下が大きいですね。アメリカ経済の力強さを感じます。次の同じく雇用関係の統計で、アメリカ非農業部門雇用者数の60年間強の長期のチャートを見てみましょう。
やはり、リーマンショックの時に大きく落ち込んでいますが、今は安定的に推移しています。アメリカ経済が落ち着きを取り戻していることが分ります。
さて、今度はアメリカのインフレ率を見てみたいと思います。下記はここ10年間のアメリカのインフレ率の推移です。
FRBのインフレの目標値が2パーセントで、上図では赤線でその水準を示しています。昨年はインフレ率が少し弱かったですが、最近2パーセントに戻ってきました。アメリカは、日本や欧州みたいにデフレには陥らないで済んでいます。この程度のインフレ率があれば、利上げをしても大丈夫そうですね。
今度は住宅関連の指標を見てみたいと思います。下記は50年程度のアメリカ新規住宅販売の推移です。
リーマンショック前に急上昇して、リーマンショックで大暴落しています。リーマンショックの翁原因が住宅バブルにだったことが分ります。それにしても、リーマンショック前後の逆V字の大高騰・暴落はすごいですね。
それでは、ここまでのアメリカ経済のファンダメンタルの推移を踏まえて、代表的なアメリカの株価指数であるダウ平均株価を見てみましょう。下図か約100年間にわたるダウ平均の推移です。
この100年間というものダウ平均は途中で上げ下げはあっても、最終的に常に高値を更新してきています。アメリカの株(ダウ平均)を買っていた人は、どこで買っていても、長期で持てば、最終的にすべての人が利益を得ることができています。
これが、アメリカ人が資産として、現金よりも株を保有する傾向がある理由ですね。
このチャートをみて特筆すべきなのは、リーマンショックの時の株価の落ち方ですね。リーマンショックで、株価はほぼ半値になっています。ところが、GDPの方は、さきほども見たとおり、リーマンショックでそれほど落ち込んでいるわけでもありません。
やはり、リーマンショックの時のような暴落相場で、経済のファンダメンタルを信じて、株を買っていける人が長期投資で成功する人ですね。
ここまで、アメリカの経済指標の推移を見てきましたが、欧州や日本と比べると、やはりアメリカは経済的にも強い国です。GDP成長率やインフレ率をみても、欧州や日本に比べて、各段に力強い動きをしています。
アメリカは今後も世界経済を引っ張る存在であり続けるでしょう。
ちなみに私は、長期保有目的で、アメリカ株にETFや投資信託でインデックス投資をしています。