トヨタと日産の企業比較と株価分析

トヨタ自動車と日産自動車の企業業績の推移の比較をして、今後の株価の予測をしたいと思います。

 

まず、ここ10年のトヨタ自動車と日産自動車の売上高と一株あたりの利益の推移を見てみましょう。

toyota-earningsnissan-earnings

(MSNマネーより抜粋)

薄い青色が売上で、黄色が一株あたりの収益(EPS)です。両社ともに、売上の変動に比べて、利益(EPS)の変動の方が大きいですね。利益の方が変動が激しくなるのは、一般的にどの会社にも言えることです。利益は売上から費用を引いたものであり、さらに費用には固定費がかかるので、一般的に利益の方が変動が激しくなります。

 

トヨタと日産を見ると両方ともに、リーマンショック後に一株あたりの収益が赤字になっています。両社ともに製造業ということで典型的な景気循環株ですね。食品や医薬品などのデフェンシブ株は、リーマンショック後に利益を減らしながらもなんとか黒字を維持しているところが多いですが、車産業は景気循環の波に弱いことがわかります。

2社を比べると、トヨタは日産の2倍以上の売上があります。しかし、トヨタよりも日産の方が早くリーマンショックから回復しています。日産の方が経費削減に早く取り組めたようです。外国人社長ということも効いているのかもしれません。

 

次に、トヨタと日産のPERをこの10年の推移を見てみましょう。

toyota-pernissan-per

リーマンショック後にトヨタのPERは3年ほど大きく上昇しています。一方、日産のPERはわずか1年ほど異常値を取った後に15程度に戻っています。

 

PERで割安、割高を判断することもあります。しかし、不況時に利益が極端に下がった時にPERが跳ね上がって、異常に割高に見えることがあります。それは実際には利益がほとんど出ていないだけで、実際には株価は割安であることがあるので注意です。

 

トヨタ、日産ともに平常時のPERは10倍から15倍あたりを推移することが多いようです。他の成長業界に比べてPERは小さいですね。

 

次に、トヨタと日産のここ10年間の株価の推移を見てみましょう。

toyota-chartnissan-chart

(ヤフーファイナンスより抜粋)

最初のグラフと比べるとわかりますが、株価は売上よりも利益の方に相関が強いです。リーマンショック後に日産の方が早く利益を回復していることに対応して、株価の方もトヨタより日産の方が早く回復しています。

 

トヨタの方が大きな会社ですが、日産の方が市場の変化に強いと言えるかもしれません。

 

やはり、現時点で景気循環型の製造業に投資するのは躊躇しますね。買いは次の暴落まで待った方が良さそうです。そのときは、どちらかというとトヨタよりも変化に強い日産の方に投資したいですね。