トレンド相場と揉み合い相場どっちが有利?

トレードで安定的に利益を積み重ねていくにはトレンド相場と揉み合い相場を見極めることが重要です。今回は、トレードをするうえで重要なポイントであるトレンド相場と揉み合い相場のどちらがトレードで利益を出しやすいかと言う話をしたいと思います。

 

トレンド相場と揉み合い相場

 

トレンド相場とは、相場が一方的に動いている時で、ガンガン上がっていれば上昇トレンドがでているし、ガンガン下がっていれば下降トレンドとなります。もっと精密に言えば、新高値を更新し続けていれば上昇トレンド相場と言えますし、新安値を更新し続けていれば下降トレンド相場となります。

 

上昇相場は、別名ブル相場ともいい、逆に下落相場はベア相場とも言います。ブルとは英語で牛(Bull)のことで、牛が角を突き上げる様子から、上昇相場をブルマーケットと言われます。また、ベアは英語で熊(Bear)のことで、熊が爪でひっかく時に上から下に振り下ろすので、下落相場をベアマーケットと言います。

トレンド相場

 

一方、揉み合い相場は、上がったり、下がったり方向感がないときが相場のことを指します。レンジ相場も揉み合い相場の一種ですね。ただ揉み合い相場はレンジも形成せずにグチョグチョとカオス的に乱高下する場合も含みます。まあ、トレンド相場以外は全部揉み合い相場と言っても良いでしょう。

揉み合い相場

 

一般的には、トレンド相場であれば順張りでエントリーして、揉み合い相場では、どちらかというと逆張りで入ることになります。株、為替などどの市場にも言えることですが、今相場がトレンドが出ているのか、揉み合っているのかを判別することが重要になります。

 

トレンド相場と揉み合い相場どちらが有利?

 

さて、トレードをするのに、トレンド相場と揉み合い相場どちらが有利でしょうか?

 

FX(為替相場)か株式相場かで少し違うのですが、今回は為替相場でトレンド相場と揉み合い相場のどちらが有利かを考えてみたいと思います。

 

結論から言うと、やはりトレンド相場の方が揉み合い相場より、圧倒的に儲けやすいと思います。

 

理由は、為替相場の性質にあります。為替相場(例えばドル円)には、適正価格というものがありません。株価であれば、理論株価のような企業業績に基づく適正株価というものを考えることができますが、為替の場合はそういうものがありません。

 

確かに購買力平価のような考え方もあります。購買力平価は、コカコーラやビックマックを買うのに同じ額が必要になるように、2カ国の為替レートが調整されるという考え方ですね。しかし、例えばスイスやオーストラリアでコカコーラやサンドウィッチを買おうと思うと日本の2倍くらいの値段になっています。スイスやオーストラリアの物価の高さは10年以上も変わっていません。

 

為替の場合は、株と違って平均回帰的な動きをせずに一旦、どちらかの方向に動き始めると止まることを知らずに一方的な動きとなります。つまり、為替相場の場合はトレンドは継続しやすく、予測が容易なわけです。

 

為替相場においてトレンドが継続しやすい理由はもう一つあります。それは相場を動かす材料(ファンダメンタル)の影響が中長期的に継続することが多いからです。

 

為替相場の場合、ファンダメンタルの材料として重要なものは、各国の金融政策になります。金融政策というと利上げ、利下げ、金融緩和などが挙げられますが、どれも一旦中央銀行が金融政策のサイクルを一つの方向に回し始めると長期にわたって継続することがほとんどです。(例えば利上げなど)

 

なので、為替相場の場合はファンダメンタルの材料が長い期間有効なことが多いので、それだけ相場のトレンドも継続しやすくなっています。トレンド相場では、このような為替市場の構造から市場参加者の思惑も一致しやすく、値動きの予測もしやすいわけです。

 

また、実際にトレードする場合でも、トレンド相場であれば、損きりラインに比べて利確幅を大きくすることができるので、自然に損小利大のトレードになりトータルの利益を残しやすくなります。

 

一方、レンジ相場や揉み合い相場で利益を残すのは思ったよりだいぶ難しいと思います。これは、トレンド相場と違い、市場参加者の思惑がバラバラで、相場の値動きを予想するのが難しいからです。

 

確かに、レンジ相場でも、レジスタンスやサポートのあたりで逆張りトレードをするというのは一つの戦略となります。ただ、トレンドがない場合、レジスタンスやサポートで逆張りは、為替レートがそこで跳ね返されるかブレークするか判断がとても難しくなります。

 

そして、揉み合い相場やレンジ相場の場合、どうしても利益幅が小さくなるので、損小利大トレードがしにくくなります。ちまちま勝っても、タイミングが合わなくなってくると、ちまちま得た利益を全部吐き出すことはよくあることです。

 

まとめると、トレードはチャートにトレンドが出ている時にだけ行って、トレンドがなくなって揉み合い相場になったらやめるか小さくやるというのが賢い戦略となります。