レーザテック(6920)の決算短信(平成26年6月期)(26年8月8日発行)をみてみました。(電子版会社四季報CDーROMと日経会社情報のサイトも参考にしています。)
今回も、貸借対照表、損益計算書。バランスシート、セグメント情報の順に決算短信をみていきます。
1、会社概要 半導体関連の検査装置の会社です。設立は1962年です。海外比率は84パーセントと高いです。
2、貸借対照表 貸借対照表は、なかなか良い感じの内容です。負債42億円に対して、流動資産143億円であり、流動資産のうち現金・売掛金を合わせると81億円もあり、資金が潤沢です。
また、流動資産143億円にくらべて、固定資産73億円となっています。固定資産より流動資産のほうが大きく良い感じです。メーカーにしては、固定資産の割合が小さいところが良いですね。
2-1 (自己資本比率の推移)自己資本比率は80%ととても高くて良い感じです。ここ5年ほど、自己資本比率を上昇させており、儲かっているようですね。
自己資本比率の推移
64%、総資産188億円、純資産121億円(2010年)
64%、総資産209億円、純資産134億円(2011年)
71%、総資産207億円、純資産147億円(2012年)
79%、総資産199億円、純資産158億円(2013年)
80%、総資産216億円、純資産174億円(2014年)
3、損益計算書 前年にくらべて、増収増益です。
3-1 (総資産経常利益率、経常利益率) 総資産経常利益率は15.2%、売上高営業利益率は12.5%です。両方とも10パーセントを超えていて素晴らしいです。
3-2 (経常利益の推移、景気循環の影響)ここ10年ほど、経常利益は上下に触れながら伸びています。
リーマンショックのあとで、大きく利益を減らしています。典型的な景気循環株ですね。検査装置なので、景気が悪くなると、売上が減りますね。
(経常利益の推移)
19億円(2005年)
30億円(2006年)
38億円(2007年)
31億円(2008年)
-6億円(2009年)
7億円(2010年)
22億円(2011年)
29億円(2012年)
25億円(2013年)
31億円(2014年)
40億円(2015年)(予想)
41億円(2016年)(予想)
3-3 (売上債権回転期間、棚卸資産回転期間)売上債権回転期間は、1.7ヶ月、棚卸資産回転は7.2ヶ月です。問題ないでしょう。棚卸資産が大きいですが、例年同じくらいの水準なので、問題ないでしょう。、
4、キャッシュフロー計算書 キャッシュフロー計算書をみると、営業キャッシュフロー(39億円)に対して、投資(-8億円)と財務(借金返済)(-17億円)です。理想的な形ですね。
5、セグメント 検査測定装置の単一セグメントです。海外売上が大きい会社です。特に台湾の比率が高いですが、何か理由があるのでしょうか?
売上高(有価証券報告書より)
日本(22億)
韓国(24億)
台湾(60億)
その他アジア(6億)
米国(20億)
欧州(2億)
6、成長性 測定装置は、これからも需要は減らないでしょうが、営業力、技術力の勝負でしょうか、、、
7、理論株価
一株当たりの当期純利益(今期)106円の20倍程度と考えて、利益価値は2120円です。
また、(一株当たり純資産)*(流動資産ー負債合計)÷ (純資産)は、448円です。
この2つ(利益価値、資産価値)を足して、理論株価は2568円くらいと見積もれます。現在(2015/6/22)1641円なので、割安ですね。
7、総論 なかなか魅力的な株です。景気循環株なので、景気好調時の高値圏で買うのはやめたいところです。景気が腰折れるまでは、下値は堅そうです。景気の落ち込みが到来するまで、短期もしくは中期で押し目で買うのはよさそうです。
この会社の測定装置のクオリティーや、市場での評価はどんな感じなのでしょうか?知っている方がいたら、この下のコメント欄にぜひご記入ください。また、それ以外のコメントも歓迎です。
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