日医工(4541)の決算短信をみてみた。

日医工(4541)の決算短信(平成27年3月期)(27年5月12日発行)をみてみました。(電子版会社四季報CDーROMと日経会社情報のサイトも参考にしています。)

今回も、貸借対照表、損益計算書。バランスシート、セグメント情報の順に決算短信をみていきます。

 

1、会社概要 いわゆるジェネリック医薬品の会社です。設立は1965年です。政府は、医療費削減のために、ジェネリック医薬品の使用を推奨するような政策を打ち出してきており、この会社には、追い風になりそうです。

 

2、貸借対照表 貸借対照表は、良い内容です。負債650億円に対して、流動資産790億円あります、バランス的には悪くないでしょう。

また、流動資産790億円にくらべて、固定資産600億円と問題なさそうです。固定資産の中で、投資有価証券が50億ほど増えていますが、この内容が気になるところです。

 

2-1 (自己資本比率の推移)自己資本比率53%で、まあまあです。ここ5年ほど、自己資本比率は横ばいです。。

自己資本比率の推移
53.9%(2011年)
51.5%(2012年)
47.4%(2013年)
51.2%(2014年)
53.2%(2015年)

 

 

3、損益計算書  前年にくらべて、増収増益です。

 

3-1 (総資産経常利益率、経常利益率) 総資産経常利益率は7.2%、売上高営業利益率は7.6%と、まあまあですね。

 

3-2 (経常利益の推移、景気循環の影響)ここ10年ほど、経常利益は順調に伸ばしていますね。2012年に大きな落ち込みがありますが、これは何でしょう??

基本的にリーマンショックの時も、利益を落とさず、デフェンシブ株であることが確認できます。さすが、医薬品ですね。

(経常利益の推移)
25億円(2005年)
34億円(2006年)
44億円(2007年)
54億円(2008年)
61億円(2009年)
68億円(2010年)
73億円(2011年)
23億円(2012年)
84億円(2013年)
70億円(2014年)
96億円(2015年)
121億円(2016年)(予想)

 

3-3 (売上債権回転期間、棚卸資産回転期間)売上債権回転期間は、2.0ヶ月、棚卸資産回転は6.3ヶ月です。棚卸資産が大きいところが気になります。この株の資産価値を査定する時に、この点を割り引いて考える必要がありそうです。

 

 

4、キャッシュフロー計算書 キャッシュフロー計算書をみると、営業キャッシュフロー(210億円)の黒字幅より、投資(-146億円)と財務(借金返済)(-140億円)のマイナス幅が上回っています。将来への投資が実って、ちゃんと着実に利益が生み出されるとよいのですが、、、

 

 

5、セグメント サービスごとのセグメントは単一です。また、地域ごとのセグメントも日本国内の売り上げが90%を占めています。

 

6、成長性 ジェネリック医薬品は伸びていくと思いますが、販売のほとんどが国内ということで、成長性に少々疑問が残るところです。

 
 

7、理論株価 
一株当たりの当期純利益(今期)110円の20倍程度と考えて、利益価値は2200円です。

また、(一株当たり純資産)*(流動資産ー負債)÷ (純資産)を計算して、資産価値は241円と見積もれます。ただ、棚卸資産が大きいことも留意しておいたほうがよさそうです。

この2つ(利益価値、資産価値)を足して、理論株価は2441円くらいと見積もれます。現在(2015/6/5)2933円なので、割高ですね。

 

 

7、総論 日本国内は、人口減ですが、老人が増えて、医薬品はまだまだ需要がありそうです。また、政府はジェネリック医薬品を後押ししており、追い風があります。ただ、国内だけの販路では飛躍的に伸びていく感じもしません。今買うのは高値掴みになりそうです。割安になってくれば買いを検討しても良いかもですが、とりあえずはウォッチしておくだけにしておきます。

 

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