日本経済の過去から現在までの推移を網羅的にみて、今後について考えてみたいと思います。
まず、ここ35年程度の日本のGDP成長率ですが、以下のようになっています。
(tradingeconomics.comより。以下の図やデータも同様。)
1990年以前と、以後では成長率の分布がだいぶ違いますね。赤線が0%を表しているのですが、1990年以前は、成長率はほぼ赤線の上つまりプラスの成長率を維持しています。一方、1990年以降は、成長率は赤線をまたぐように上下に移動しており、日本は低成長にあえいでいます。
日本のGDP自身を見てみましょう。
GDP成長率が1990年位から0パーセントあたりで揺らいでいることに対応して、GDP自身も1990年あたりから成長が止まっています。ほぼ20年間くらいGDPはほぼ同じ水準です。アメリカ経済の力強さと比べると、かなりイマイチですね。
さて、上の図は日本の失業率の60年くらいの推移です。1990年以降、失業率が急激に増加し2008年あたりのリーマンショックのところでも急上昇しています。それ以降、最近は失業率は少しづつ下がっており、景気が回復してきていることが分ります。
次に日本の長期のインフレ率を見てみましょう。
上の図は、ほぼ60年間にわたる日本のインフレ率です。赤線がゼロパーセントを表しており、1990年あたり以降から、ほぼ物価が上昇していないことが分ります。
次にもっと短い期間で日本のインフレ率をみてみましょう。
上の図はここ10年間の日本のインフレ率ですが、2013年あたりのアベノミクス(黒田日銀金融緩和)で急上昇しています。ただ、その効果も、最近では剥落してきて、現在ほぼインフレ率はゼロあたりに落ち込んでしまっています。
上の図は50年間にわたる日本の貿易収支です。赤線がゼロを表しています。2010年ころまでは、日本が貿易黒字でしたが、2010年以降は貿易赤字に転落しています。東北大震災に伴って、原油の輸入量が増加したこともその原因の一つと思われます。最近になって、円安にともなり、貿易収支がプラスマイナスゼロのあたりに戻ってきました。
ここまでの、日本のファンダメンタルの変遷をふまえたうえで、日本の株式市場を長期チャートを見てみましょう。
1980年代のバブル時代の日本株の上昇はすごいですね。株式市場は、日本のファンダメンタルの動きよりも、乱高下が激しいですね。まさに、株式市場は人間心理がそのまま反映されています。
総じて、ここ20年間の日本の経済は、アメリカにくらべると、低成長(というかゼロ成長)のまま弱いままです。ユーロ圏とくらべても、日本の経済の成長が悪いですね。
この根底には、産業の非効率性や人口減少などの問題があると思われます。特に日本の人口はますます減少していきますので、日本が今後何十年にわたって経済成長をつづけるのは難しいと思われます。
資産の少なくとも一部を海外資産に移しておくのが良い資産管理方法になると思われます。