日本農薬(4997)の決算短信(平成26年9月期)(26年11月13日発行)をみてみました。(電子版会社四季報CDーROMと日経会社情報のサイトも参考にしています。)
今回も、貸借対照表、損益計算書。バランスシート、セグメント情報の順に決算短信をみていきます。
1、会社概要 農薬専業の会社です。設立は1926年と歴史があります。海外比率も46パーセントと高いです。
2、貸借対照表 貸借対照表は、まあまあの内容です。負債230億円に対して、流動資産380億円あり、問題なしです。
また、流動資産380億円にくらべて、固定資産300億円となっています。海外の会社を買っており、固定資産は、前年度(平成25年度)190億円に比べて、110億円も増えています。この投資が実を結ぶと良いのですが。
2-1 (自己資本比率の推移)自己資本比率66%で、十分は高く良い印象です。ここ5年ほど、自己資本比率は横ばいです。ここ5年で、総資産が膨らんでおり、今後も海外進出で、順調に規模拡大が進むと良いですね。
自己資本比率の推移
67%、総資産470億円、純資産310億円(2015年)
68%、総資産480億円、純資産330億円(2011年)
69%、総資産490億円、純資産340億円(2012年)
68%、総資産590億円、純資産400億円(2013年)
66%、総資産680億円、純資産450億円(2014年)
3、損益計算書 前年にくらべて、増収増益です。
3-1 (総資産経常利益率、経常利益率) 総資産経常利益率は14.6%、売上高営業利益率は16.6%と、とても高いです。儲かりやすい事業のようです。
3-2 (経常利益の推移、景気循環の影響)ここ10年ほど、経常利益は順調に伸びています。
リーマンショックのあとでも、ほとんど利益を減らしていなく、デフェンシブ株ですね。
(経常利益の推移)
9億円(2005年)
20億円(2006年)
32億円(2007年)
36億円(2008年)
32億円(2009年)
29億円(2010年)
33億円(2011年)
38億円(2012年)
71億円(2013年)
93億円(2014年)
91億円(2015年)(予想)
3-3 (売上債権回転期間、棚卸資産回転期間)売上債権回転期間は、3.2ヶ月、棚卸資産回転は4.1ヶ月です。棚卸資産が少し大きいような気がしますが、ここ10年くらい、だいたい4か月くらいで推移しているので、特に問題ないでしょう。
4、キャッシュフロー計算書 キャッシュフロー計算書をみると、営業キャッシュフロー(36億円)に対して、投資(-110億円)と財務(借金返済)(-10億円)です。投資キャッシュフローのマイナス幅が大きすぎる感じです。今年度は、大規模に投資をしたようで、今後の海外への事業拡大が無事に進むことを期待したいところです。
5、セグメント セグメントとしては、農薬と、農薬以外の化学品がありますが、売り上げのほとんどが農薬なので、ほぼ農薬の単一セグメントと考えてよいでしょう。
海外比率は46%と、高くなっています。国内市場は飽和状態にあると考えられるので、更なる海外進出を期待したいところです。
6、成長性 国内市場は、人口減少時代を迎えて、飽和状態でしょう。あとは、どれくらい海外進出できるかがカギですね。最近、積極的に海外企業をM&Aをして規模拡大を頑張っているところなので、期待したいですね。
7、理論株価
一株当たりの当期純利益(今期)88円の20倍程度と考えて、利益価値は1760円です。
また、(一株当たり純資産)*(流動資産ー負債)÷ (純資産)を計算して、資産価値は231円と見積もれます。
この2つ(利益価値、資産価値)を足して、理論株価は1991円くらいと見積もれます。現在(2015/5/30)1159円なので、割安ですね。
7、総論 デフェンシブ株で、グローバル企業を目指している良い会社だと思います。買いを検討してもよいでしょう。今後は、海進出でどれだけ事業拡大できるか、注視したいですね。
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