ツイッター(Twitter)は2013年に米国株式市場(NYSE)に上場しました。匿名のまま短文を投稿して、そのアカウントをフォローした人が誰でもその投稿を見ることができる独特のシステムで日本でも多くの人が使ったことがあるのではないでしょうか。最近だと、米国大統領のトランプがこのツィッターを使って、様々な波紋を広げていることをご存知の方も多いと思います。
さて早速、米国株のツィッターの売上(青)と純利益(黄緑)、EBITDA(薄青)の推移を見てみましょう。
ツイッターの売上(青)を見ると右肩上がりに上がっていますが、最近になって伸び率に減速が見られます。成長に陰りがでてきているようで気になります。純利益(黄緑)の方は赤字幅は縮小してきていますが、未だにマイナスです。一方、EBITDA(薄青)をみるとここに来て上向きです。EBITDAは大雑把にいって純利益に償却費用を加えたようなものです。償却費用を引くとまだ赤字ですが、キャッシュは着実に入ってくるようになってきているようです。
それでは、詳しくキャッシュフローの方を見てみましょう。下図で赤色が営業キャッシュフローで、青色が投資キャッシュフローです。
最近になって営業キャッシユフロー(赤色)は伸びて、投資キャッシュフロー(青色)が小さくなっています。過去に大きく投資した分が、最近になって実を結び営業キャッシュフローとしてキャッシュの形で戻ってきています。過去の償却分が営業キャッシュフローから引かれて、純利益としては今はマイナスですが、確実の収益構造は良くなってきていますね。この調子であれば、黒字転換ももうすぐでしょう。
国ごとの売上を見ると、米国が6割、日本が1割、その他の海外が3割を占めています。もう少し海外が増えていくと更に成長できそうです。ただし、Twitterの競合にはFaceBookやInstagramなど強敵がいるので、なかなか競争環境は厳しいかもしれません。
ここまでのところをまとめると、ツィッターは成長には陰りが出てきていますが、これまでの投資分は利益として着実に戻ってきていて黒字化するのは難しくないと思われます。
さて、Twitterの一株あたりの資産価値を見積もってみてみましょう。流動資産が4.6ビリオンドル(日本円だと5千億円程度)で、負債全体が2.2ビリオンドルです。なので流動資産から負債を引いた2.4ビリオンドルがツィッターの現金化できる資産を考えられます。純資産が4.6ビリオンドルなので、純資産における現金化できる資産割合は2.4/4.6=0.52で52%程度です。
一株あたりの純資産が6.43ドルなので、一株あたりの資産価値は6.43*0.52=3.3ドルなります。つまり、今すぐツィッターが解散した時、一株あたり3.3ドル戻ってくると考えられます。ちなみに現在のTwitterの株価は16ドルなので、まあ資産価値にはあまり期待できないでしょう。
さて、これまでツィッターの業績・資産面をみてきましたが、次は株価をみていきましょう。次がツィッターの株価の推移です。
2013年の上場以来、一旦株価は70ドルの高値をつけましたが、あとは右肩下がりに下がっています。んー、見事に株主の期待を裏切っている感じですね(笑)
さて、現在の株価(16ドル位)が割高か割安かを判断してみましょう。
直近の2016年の一株あたりの純利益がマイナス0.65ドルで赤字なので、このままではPERが算出できません。そこで、今後このまま順調に黒字化したと仮定して現在の株価水準の割安・割高を判断したいと思います。
ツィッターの売上の来期、再来期の予想を見るとおよそ2ビリオンドル(2千億程度)で、急激な伸びは示さないと思われます。あとは、先ほども書いた通り、過去の投資のリターンの回収時期に入り収益構造が改善してきていますので、最終的に売上高利益率で10%くらいまでは行くと思われます。すると、純利益が0.2ビリオンドルくらいになりそうです。これはツィッターの来期、再来期予想の数字とほぼ同じです。
現在の時価総額が10ビリオンドル程度なので、この予想純利益でPERを計算すると50倍です。このまま、収益構造がうまく改善するとして計算しても、PERで50倍なのでやはり割高ですね。
仮に売上高利益率が20%になると仮定してもPERで25倍でやはり割安感がありません。。。
ツィッターは広告収入が主な収益源ですが、フェースブックのような個人情報を特定した上で広告を出すのは難しいので、なかなか高い利益率をあげるのは難しそうです。
株価チャートを見ると、すごい下がっているのでパッと見では割安感がありますが、ファンダメンタルから見るとまだまだ割高と考えれれますね。。。
あんまり投資したくなる銘柄ではなさそうです。。。
(まとめ)
結論としては、ツィッターは、成長が止まりつつありますが、収益構造は改善してきており、今後赤字から黒字企業になるでしょう。ただし、株価は黒転したと考えても割高水準にあると考えられます。