日本農薬(4997)の株価が下落中、今後どうなる?

2015年の初めに1400円の高値を付けて以来、日本農薬の株は大きく下げています。何があったのでしょうか?

 

日本農薬は農薬の製造・販売の大手です。新薬開発もしています。海外売上も50%程度と海外進出にも積極的です。

 

2016年9月期の決算短信で、大きく減収減益となりました。特に純利益は前年比で5分の1で大きな落ち込みとなりました。この大きな減益は、海外の会社に対するノウハウ技術料の減収によるものとのことです。これは、おそらくライセンス契約のようなもので、原価のかからない利益率の高いもののようです。この減益は一時的なもので、また回復するようなものではなく、どちらかというとこれまでの利益が一時的なものであったようです。なので、何かの進展がなければこのままの利益水準にとどまりそうです。。。

 

日本農薬の決算書などを読みましたが、この減益にたいする詳細な説明は発見できずにすこし気持ち悪いですね。決算説明会の動画とかが公開されていればよいのですが。。。この手の企業に投資するには、農薬などの専門的な知識が少し必要ですね。。。

 

日本農薬は海外進出にも積極的で、海外売上は50%もあります。国内は人口減少により、農薬販売も停滞ぎみですが、海外は新興国の人口増でますます食糧、そして農薬への需要は高まると予想されます。その意味で日本農薬の成長の可能性は低くはありません。ただし、遺伝子組み換え作物が発展してきており、害虫につよい農作物の誕生で農薬への需要がへるリスクがあることは念頭に置いておく必要があると思います。

 

日本農薬のROEは2%であまり高くありません。また、売上高利益率は8%で、まあまあといったところでしょうか。前年度は、ROEは11%で、売上高利益率は17%と非常に高かったです。利益率が高いだけあってノウハウ技術料収入の減少は痛いですね。

 

日本農薬の株が景気循環株かディフェンシブ株であるかは微妙な問題です。一般的な意味での景気循環株ではないと思いますが、かと言って食品セクターのようなディフェンシブ株でもないと思います。まず日本農薬は新薬開発を行っているところが、通常の医薬品の新薬開発メーカーと似ているところがあります。通常の新薬開発メーカーは、大きな投資を行って新薬を開発しており、当たればデカいけど空振りに終わることも多い「博打うち」のような側面があります。

 

日本農薬も新農薬で大きく当てれば、大きな利益を得られる反面、空振りに終わることも多いでしょう。また、特許切れの問題もあります。新薬を開発しても、ある程度年数がたてば特許がきれるので、また大きな利益をねらうには別の新薬を開発する必要があります。

 

また、農薬は天候や害虫の発生具合などの自然現象によって、おおきく利益が左右されます。一般的な景気に対してはディフェンシブでも、自然現象にたいして影響を受けやすいですね。

 

これらのことから、日本農薬の株はディフェンシブ株ではなくて、不安定な部分があると思います。

 

現在、日本農薬の株価が割高か割安かを判断してみましょう。理論株価は次の式で計算できます。

 

理論株価 = (資産価値 + 利益価値)÷ 発行済み株式数

 

です。ここで資産価値は(流動資産ー負債)、利益価値は(純利益×15)で計算します。すると、日本農薬の一株当たりの資産価値は決算短信より220円と分かります。また一株当たりの利益価値は来期予想の数字を使い480円です。合計すると700円です。現在(2017/8/11)の株価607円と比較すると現在の株価は若干割安でしょう。日本農薬もそろそろ底打ち感がでてきた感じがします。

 

まとめると、世界的にみると、人口増大で食料品への需要はふえ、そして農薬への需要は増える成長市場です。しかし、リスクとしては遺伝子組み換え作物の登場で害虫に強い作物が増えれば農薬の需要が減ります。これはリスク要因ですね。

 

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