中国経済はここ十数年にわたり目覚しい発展を遂げ、2010年には日本を抜き、GDP(国内総生産)が世界第2位になりました。
ただ、その中国経済も、経済成長率が鈍化してきていて曲がり角を迎えています。現在、中国は過剰債務、余剰設備の問題を抱えています。また、昨年の中国発の金融危機で世界中の株価が暴落したのも記憶に新しいところです。
中国のGDPの推移
中国のGDPは順調に伸びているように見えます。ただ、成長率でみると10%を超える高成長(一時は14%)から現在では7%付近に鈍化しています。また、上図は、名目GDPなので、インフレ分も含まれています。実質だともう少し緩やかな上昇になります。
中国の時価総額の推移
中国の株式の時価総額のグラフを見ると、二つのピークがあります。一つ目はアメリカ住宅バブルの頃のピーク(2007年頃)と、もう一つは最近(2015年頃)の中国株式バブルです。昨年あたり、中国個人投資家がこぞって株を買っていたのは記憶に新しいところです。
現在は、直近の中国株式バブルも崩壊して落ち着いたように見えますが、現在の株価水準が割高か割安なのかをバフェット指標を用いて評価してみましょう。
中国のバフェット指標の推移
中国のバフェット指標を見てみると、まず最近で目につくのが2007年のアメリカ住宅バブルの頃のピークです。2015年頃の中国株式バブルは、バフェット指標でみると大したことはありませんね。
現在の中国のバフェット指標は50%程度と割安水準にあります。今後、中国の株式市場は底堅そうです。
ただ、中国の過剰債務や余剰設備の問題は尾を引きそうなで、引き続き要注意です。この問題がこじれた場合は、中国のみならず、世界の市場にパニックを引き起こすと思われます。