ピジョン(7956)の決算短信(平成27年1月期)(27年3月2日発行)をみてみました。(電子版会社四季報CDーROMと日経会社情報のサイトも参考にしています。)
今回も、貸借対照表、損益計算書。バランスシート、セグメント情報の順に決算短信をみていきます。
1、会社概要 育児用品国内トップの会社です。会社設立は1957年、上場は1988年です。海外比率は53パーセントです。
2、貸借対照表 貸借対照表を見てみます。負債250億円に対して、流動資産470億円であり、いい感じで儲けを蓄えている感じです。
また、流動資産470億円にくらべて、固定資産253億円となっています。やっぱり固定資産も膨らんでいなくて良い感じですね。
2-1 (売上債権回転期間、棚卸資産回転期間)流動資産の中身が大丈夫か見てみましょう。売上債権回転期間は、2.1ヶ月、棚卸資産回転は2.1ヶ月です。問題ないでしょう。
2-2 (自己資本比率の推移)自己資本比率60%程度を推移していて、とても良い感じです。ここ2年で、総資産も膨らんでおり、規模が大きく拡大しているようです。
自己資本比率の推移
62%、総資産426億円、純資産270億円(2011年)
62%、総資産437億円、純資産279億円(2012年)
65%、総資産485億円、純資産323億円(2013年)
67%、総資産579億円、純資産399億円(2014年)
63%、総資産723億円、純資産472億円(2015年)
3、損益計算書 前年にくらべて、増収減益です。
3-1 (総資産経常利益率、経常利益率) 総資産経常利益率は20.4%、売上高営業利益率は15.2%です。かなり良い利益率ですね。ベビー用品業界では、独占的なブランド力を保っているようです。
3-2(各種利益の割合)
売上高 841億円(100%)
売上総利益 382億円(45%)
営業利益 127億円(15%)
経常利益 132億円(15%)
税引前純利益 131億円(15%)
純利益 84億円(9%)
3-3 (経常利益の推移、景気循環の影響)ここ10年ほど、順調に伸びています。
リーマンショックのあとでも、まったく利益を減らしていません。典型的な、デフェンシブ株ですね。景気が悪くなってもベビー用品は必ず買いますものね。
(経常利益の推移)
22億円(2006年)
27億円(2007年)
31億円(2008年)
42億円(2009年)
46億円(2010年)
44億円(2011年)
49億円(2012年)
73億円(2013年)
110億円(2014年)
132億円(2015年)
140億円(2016年)(予想)
4、キャッシュフロー計算書 キャッシュフロー計算書をみると、営業キャッシュフロー(101億円)に対して、投資(-31億円)と財務(借金返済)(ー1億円)です。営業キャッシュフローがおおきくて、理想的な形です。有価証券報告書で、数年分しらべても、同じような感じなので、とても良い経営をしていることがわかります。
5、セグメント 地域セグメントとしては、日本、北米、欧州、アジア、中国、南米と多岐にわたっています。それぞれの地域で、おおきな偏りはなく、良い感じです。海外比率は77%と、高くなっています。
製品ごとのセグメント別の売上高
育児関連 690億円
子育て支援 67億円
介護関連 67億円
その他 12億円
地域ごとの売上高
日本(390億)
アジア(330億)
(内中国は260億円)
北米(63億)
その他(53億)
)
6、成長性 ベビー用品は、国内だと少子化で頭打ちですが、海外とくにアジアで高品質なものを求めるようになれば、まだまだ成長余地が多そうです。日本ブランドの強みで、まだまだ海外に販路を拡大できるとよいのですが、、、
7、理論株価
一株当たりの当期純利益(今期)70.55円の20倍程度と考えて、利益価値は1411円です。
また、(一株当たり純資産)*(流動資産ー負債合計)÷ (純資産)は538円です。
この2つ(利益価値、資産価値)を足して、理論株価は1949円くらいと見積もれます。現在(2015/6/22)3775円なので、だいぶ割高ですね。
7、総論 デフェンシブ株で、安定成長しそうな、とても魅力的な株です。ただ、株価が高くなり過ぎていますね。いまから買うのは難しいでしょう。下落して良い買い場が訪れたら買いの検討をしたいところです。
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