株式ディーラーのぶっちゃけ話

最近読んだ本で、「株式ディーラーのぶっちゃけ話」という本があります。投資家には面白い本だと思ったので紹介します。



著者は証券会社の自己売買部門に所属のプロップディーラーです。要するに顧客の資本ではなくて、会社のお金でトレードする人ですね。

 

個人投資家にとっては、この証券会社の自己売買部門のトレーダーは競争相手になるわけです。このプロトレーダーの内輪話が書かれています

 

ますは、株式トレーダーの生態が赤裸々に描かれていて、職場の様子やトレードの手法などにも言及があります。ここ十数年でネット証券が登場してきて、地場の証券会社は手数料ビジネスが成り立ちにくくなっています。そこで、この本の著者のように、会社資本でトレードして儲けるという自己売買部門の収益が重要になっているそうです。

 

基本的には証券会社のプロップディーラーのトレードスタイルはデイトレードだそうですが、利益を出し続ける人はあまりいないようです。なので、首にならずに生き残る人はかなり少数であるそうです。また、この本では、取引手法についても言及があり、基本的にプロは「高いところで買って、さらに高く売る」というのを基本としているそうです。まあ、逆張りをすると上司に怒られるらしいですね(笑)デイトレなら、順張りといったところでしょうか。個人トレーダーは逆張り派が多いと思いますのでなんか対照的ですね。

 

また、証券ディーラーの中途採用の話も書いてあり、個人投資家あがりで証券ディーラーになる人もいるそうです。また、最近、一部上場の大型株で儲かりにくくなっている理由や、若い新人トレーダーが利益を得やすくなっている理由などにも言及があります。

 

また、個人投資家と証券会社のトレーダーの間の違いやメリット、デメリットも書いてあります。まあ、個人投資家も証券会社のトレーダーもやっていることは同じなので、そこにどんな違いがあるのかの説明もあり面白いですね。

 

最近の東証のシステム変更がトレーダーに及ぼす影響や、アルゴリズム取引の証券トレーダーへの影響も示唆に富んだ記述があります。

 

海外の本で、このように赤裸々な暴露話を書いてある本は結構見かけますが、日本の証券会社の内輪話をここまで赤裸々に描いてある本は珍しいですね。

 

久しぶりに面白い本に出会ったので、文庫本も出ているのでぜひ読んでみてください。