なぜ、株式投資で景気循環・デイフェンシブ株、そして成長・成熟・衰退株の見極めが重要なのか?

上場株式に投資するときに、その企業のビジネスの性質を把握することが重要です。

 

まず、投資先のビジネスの性質を見極めるには大きく二つのは軸があります。最初の軸は、ビジネスが成長、成熟、衰退のどのステージにあるか見極めることです。二番目の軸が、そのビジネスが景気循環株なのか、景気の悪化に強いディフェンス株なのかを見極める必要があります。つまり景気循環株かディフェンシブ株のどちらかであるかの見極めです。

 

投資先企業は成長、成熟、衰退のどのステージにあるか?

株式投資で一つ目の軸となるのが、その企業のビジネスが成長、成熟、衰退のどのステージにいるかを確認することです。

 

どんな産業、ビジネスにも、多かれ少なかれ成長、成熟、衰退のステージがあります。家電も戦後からバブル期にかけての高度成長時代に、これまでなかったテレビ、洗濯機、冷蔵庫が各家庭に次々と導入され家電メーカーを中心としてグングン業績が伸びる時代がありました。

 

しかし、ほとんどの家庭にテレビ、洗濯機、冷蔵庫が導入されると、新規購入ではなく、買い替え需要になり家電市場は成熟期に入ります。そしてここ最近では、家電はコモディティ化、そして日本の少子高齢化・人口減少時代を迎えて、家電市場は衰退市場になっています。

 

一つのビジネスは、だいたい60年位のサイクルで、成長、成熟、衰退時期を迎えます。

 

しかし、最近のIT市場ではそのサイクルはさらに短く30年位になりつつあります。インテル、IBMなどハードウェア系のビジネスをしている企業は、すでに成長期から成熟時期そして徐々に衰退期に入りつつあります。

 

特にパソコン系のハードウェアは、市場におおよそ製品が行き渡り、また開発が一巡し、コモディティ化していて、利益を上げるのが難しくなってきています。実際に多くの日本の家電メーカーは、パソコンから撤退、縮小しているところも少なくありません。

 

ただ、日用品や食品分野など日本国内では成熟期でも、海外ではまだまだ成長している分野もありますので、成長、成熟、衰退の判断は国内、国外に分けて考える必要があります。

 

これから投資をする企業のビジネスが、成長、成熟、衰退のどのサイクルにあるのかを見定めて、なるべく成長期にある企業に投資すべきですね。

 

投資先企業は景気循環株かディフェンシブ株かの見極め

株式投資の2番目の軸が、投資先企業のビジネスが景気循環型かディフェンシブ型を見極めることです。

 

景気循環株の代表例としては、トヨタ、日産などの車産業が挙げられます。景気が悪くなってくると消費者は車の新規購入や買い替えなどを手控えるようになり、業績が落ち込みます。

 

一方、ディフェンス株の代表例としては花王や食品メーカーのような日用品の製造販売の会社です。消費者は景気によらずに、トイレットペーパーやカップラーメンなどの食材を買い続けるので、景気が悪くなっても業績は悪化しにくいわけです。また、ドコモやソフトバンクのような携帯キャリア事業を営んでいる会社もディフェンス株です。景気が悪くなっても、消費者は、携帯電話の契約を解除することは稀だからですね。

 

下に、ディフェンシブセクターの代表的な例と、景気循環セクターの代表的な例を上げておきます。

 

(1)ディフェンシブ株:日用品(洗剤、シャンプー、カミソリなど)、食品、携帯キャリアの会社など、衣料品、電気・ガスなどのインフラ

(2)景気循環株:自動車、機械、鉄鋼、化学など

 

基本的に景気の良い時は、ポートフォリオをディフェンス株や現金の割合を多くして、来たる景気悪化の局面に備えます。逆に景気が悪い時は、景気循環株が割安になっているので、倒産したりしないことを確認した上で景気循環株を仕込みます。

 

まとめ

基本的な戦略としては、景気の良し悪しに関わらず、ビジネスが成長期のステージある企業に投資します。そして、景気が良い時は、日用品、食品などのディフェンス株に投資または現金化をして来るべき景気悪化に備えます。そして景気が悪い時には機械、ITなどの景気循環株に投資をして、来るべき好景気に備えて仕込むのが基本となります。

 

ただ、景気が悪い時にも景気循環株には一切手を出さないという考え方もありますので、リスクを極力抑えたい人はそのような投資方針でも良いと思います。