株式投資、決算書からわかる割高、割安株の簡単な見分け方(初心者編)

株式投資をする時、何を基準にして投資先を決めているでしょうか?

 

好きな商品を製造している会社だからとか、好きなサービスを提供している会社だからというのも、もちろん良い基準だと思います。もう少し投資に慣れてくるとPERやPBRを見たり、配当を見たりする人も多いと思います。

 

しかし、株式で最も重要視しなければいけないのは、その企業から発行されている決算書です。四半期ごとに発行される決算短信や有価証券報告書を見る必要があるのですが、たくさんの項目があって、初心者にはどこに注目して良いのかよくわかりません。

 

そこで、この記事では株式投資する上で、決算書のどこにまず注目すべきか、初心者にわかりやすく解説します。これを読めば、決算書を読んだことのない投資初心者でも少しづつ決算書に馴染んで株式投資が上手になっていくでしょう。

 

株価は企業業績と連動している

株価は、為替レートなどと違い、中長期的には株価を決める基準があります。それは株価は、企業業績に強い相関があるということです。株価は短期的に見ると、異常に上昇したり下落したりすることがありますが、中長期的に見るとその企業業績と連動します。

 

短期的な変動で高値づかみをしなければ、長期的に成長する会社に投資すれば儲かるというわけです。なので、長期投資で成功するには企業業績を見ることが欠かせないわけですが、そのためには企業の決算短信などを読まなければなりません。

 

株を初めたばかりの方が決算短信を見ると、数字の羅列でなかなかその内容を掴むのは難しいですね。そこで、今回は、初心者でも簡単に決算短信の一番重要な点を掴み、決算短信を読めるようにしたいと思います。

 

決算短信を読むのは難しいが最も注目すべき数字は何か?

さて、株式投資を読む上で、決算短信を読む上で最も重要なところはどこでしょうか?

 

スバリ答えます。決算書で最も重要なのは通期の連結業績の「一株当たりの当期純利益」です。

 

このことを、日産自動車の平成28年度通期の決算短信(下図)を例に説明します。

nissan-eps

 

上の決算書の中で最も重要なのが赤丸で囲った最新の「一株あたりの当期純利益」です。上記の決算書では「125円」ですね。この数字が最も重要です。決算書の初心者は最初のうちはここ(一株当たりの当期純利益)だけ見ておけば良いでしょう。

 

決算短信に書いてある「一株当たり当期純利益」から理論株価が計算できる。

そして、次はこの数字(一株当たりの当期純利益)を「15倍」してください。この値はこの会社の理論株価になります。この場合だと、125円掛ける15倍で1,875円が日産自動車の理論株価になります。2016年12月2日現在の日産自動車の株価が1074円ですなので割安と判断できます。

 

実際には、各業界で15倍という乗数が変わってくるのですが、慣れるまではとりあえずなんでも「15倍」でOKです。15倍という数字は、投資した額を15年で回収できるという意味があります。まあ投資家とすれば、15年で元本を取り戻せば満足というところですね。(実際の配当は純利益のさらに一部になるので、実際に15年分配当で元本を取り戻せるというわけではありません。)

 

もちろん決算書の他の数字も重要なのですが、慣れるまではひたすら決算書の「一株あたりの純利益」を見て、それを15倍して株価と比べ続けてみると良いでしょう。だんだんと慣れてくると、他の数字の意味も少しづつわかってきます。いきなり全部を理解しようとしないでポイントを絞るのが上達のコツですね。