花王とライオンの企業比較と株価分析

花王とライオンの企業業績の推移と今後の株価の予測をしたいと思います。

花王は言わずと知れたトイレタリー、化粧品の大手ですね。特にトイレタリーでは日本国内で最大手です。海外売上は35%と海外進出にも積極的です。

一方、ライオンはトイレタリー、化粧品の大手企業ですが、花王よりは規模が小さいです。ただ、歯磨き商品では国内首位級です。海外売り上げは25%と海外進出にもしています。

 

さて、花王とライオンの売上、純利益のこの10年の推移をみてみましょう。

花王成長ライオン成長率

(MSMマネーより抜粋)

 

薄い青色の線が売上高です。花王もライオンも滑らかな右肩上がりです。ただし、良くみてみるとリーマンショックの直後の2009年あたりの売上が花王もライオンの両方とも微妙に落ちています。日用品の製造ということで景気の影響が受けにくいとは言え、少しは不況の影響が売上に出ていますね。不況の時は、消費者は歯ブラシを取り替える頻度を少し落としているかもですね(笑)

 

次に黄色の線が、純利益の推移を表しています。花王もライオンも売上に比べと純利益は大きく変動幅が大きいですね。一般的に純利益は売上に比べて変化が大きくなる傾向にあります。理由は売上が変動しても固定費はほとんど変わらないので、売上の少しの変化が純利益に大きな影響を与えるからです。

 

花王は2010年、ライオンは2008年に純利益が大きく落ちています。しかし、2012年以降両社ともに大きく純利益を伸ばしています。ちょうどアベノミクスが始まった頃ですね。

 

リーマンショックの時でも両社ともに純利益を確保しているところは、さすがデフェンシブ業界と言えるでしょう。製造業だと、リーマンショックの時は純利益がマイナスのところも珍しくありません。

 

さて、次は両社のここ10年の株価の推移を見てみましょう。

花王株価ライオン株価
(ヤフーファイナンスより抜粋)
 

花王、ライオンともにアベノミクス以降大きく株価が高騰しています。

 

一般的に、株価は売上ではなく純利益に比例します。花王、ライオンともに株価が高騰していると同時に純利益も大きく伸びています。なので、最近の株価の上昇は、2013年以降アベノミクスの相場の過熱感で買われているだけではなく、企業業績の裏打ちがあることに注意したいところです。

 

花王もライオンも2013年以降に株価が大きく上昇していますが、良くみてみると花王の方が先に上昇を始めています。アベノミクスが始まった時に、まずは業界最大手の花王が買われて、その後あとを追うようにライオンが買われたことがわかります。

 

現在(2016/11/2)で花王のPERが22倍で、ライオンのPERが31倍です。両社ともに高いですね。純利益も少しピークにきているような感じもしますし、今両社の株を買うのはタイミングとしては良くないでしょう。今後、大きな調整局面が来ると思われます。

 

両社ともに良い株であるので、次の世界経済の暴落時にしっかり仕込みたいところです。ただ、どちらかというと企業規模の大きく海外売上率が高い花王の方を買いたいと思います。