CIJ(4826)の株価は上昇中、何があった。

好決算もあり、CIJの株価が上昇しています。CIJはITシステム開発会社で、大手から2次請負でシステム開発をしています。

 

CIJの業績の推移をいると、リーマンショック以来、少しづつですが順調に売り上げも利益も伸ばしています。ITシステム開発は、年々需要が増えてきており需要が供給を上回っています。そのため、仕事はたくさんあるのですが、人手不足に悩まされています。CIJも2次請負中心でありながら、順調に業績を伸ばしています。

 

CIJの売り上げのうち、2割くらいがいわゆるプライマリービジネスで、独自の自社製品でビジネスをしており、残りが大部分が大手IT企業からの2次請負です。ROEは8%、売上高営業利益率は6%とあまり大きくありません。これも請負ビジネスがメインだからと思われます。2次請負では、利益が薄いのでなるべくプライマリービジネスを伸ばしていきたいところです。

 

IT業界は、人工知能やIOT時代を迎えてますますシステム開発の需要は増えそうですので、これからも有望なセクターでCIJも十分成長余地があると思います。

 

一方、リーマンショックのとき、CIJはおおきく利益を減らしています。これはIT業界株が基本的に景気循環株であるからです。特にCIJは大手からの2次請負なので、特に景気の影響を受けやすいです。

 

受注先の上から10社の売り上げを合計すると、全売り上げに対しておよそ40%もあります。特にNTTと日立からの受注が大きく受注先の企業の業績に大きな影響を受けます。

 

現在は景気が良いので問題ありませんが、景気が悪くなってくると、CIJは一番最初に株価に影響がでる株の一つでしょう。

 

現在の株価水準について考えてみたいと思います。理論株価は、資産価値と利益価値から計算できます。

 

資産価値=(流動資産ー負債)÷発行済み株式数=494円
利益価値=一株当たりの純利益×15=960円

 

合計すると、理論株価は1454円になり、現在(2017/8/13)の株価589円を大きく上回ります。まだまだ上昇余地がありそうです。特に、流動資産をたくさんもっており、かなりの余剰資金をかかえています。これは、今後も自社株買いや新たな投資に向けられそうで魅力的です。

 

リスクとしては、やはり景気が悪くなってくるともろにその影響を受けることにあります。

 

投資スタンスとしては、まだまだバイ&ホールドで良いと思いますが、思いっきり景気循環株なので景気が悪くなった時にはさっさと撤退したほうがよさそうです。